研究課題/領域番号 |
20K22365
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
五味 斎 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任助教 (10876171)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 内核 / 積層欠陥エネルギー / KKR-CPA |
研究開始時の研究の概要 |
地球の内核は、鉄を主成分とする固体の合金である。この鉄合金の結晶構造の決定は、高圧地球科学の最も重要なテーマの一つである。候補はfcc、hcp、dhcp構造などであるが、これらの結晶の持つ層構造の順序がランダムに入れ替わる積層欠陥は、ほとんど考慮されてこなかった。本研究では、地球の内核の積層欠陥濃度を計算する事を目的とする。まずKKR-CPA法による第一原理バンド計算から、内核の圧力条件(330万気圧)における鉄合金の積層欠陥エネルギーを計算する。つぎに得られた相互作用パラメータをIsing模型に適用し、モンテカルロシミュレーションから内核の温度条件(5000℃)における積層欠陥濃度を求める。
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研究成果の概要 |
本研究では(1)地球の内核圧力におけるB2 FeSiの規則・不規則転移温度の推定、(2)水素に飽和した面心立方構造鉄水素化物(fcc FeH)に対する磁性と状態方程式の関係、(3)水素に飽和していない面心立方構造鉄(fcc FeHx, 0 < x < 1)に対する磁性と状態方程式の関係についてKKR-CPA法を用いて第一原理計算を行った。 以下の結論が得られた。(1)B2 FeSiの規則・不規則転移温度は非常に高く、内核では不規則化が起きない。(2)強磁性を仮定したfcc FeHの計算が、室温の実験をよく再現する。(3)常磁性を仮定したfcc FeHxの計算が、高温の実験をよく再現する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球の中心部分は、360万気圧以上の高圧力がかかっているのみならず、5000℃程度の高温状態になっている。このような高温条件では、物質は化学的・構造的・磁気的に不規則な状態が熱力学的に安定になる可能性がある。本研究では、こういった不規則の効果が、地球や惑星の深部条件でどのような影響をもたらすのかを明らかにした。
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