研究課題/領域番号 |
20K22366
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木村 友亮 岐阜大学, 工学部, 助教 (50624540)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超イオン伝導体 / アンモニア / 天王星 / 高温高圧実験 / 氷 / ラマン分光測定 / イオン伝導率 |
研究開始時の研究の概要 |
天王星と海王星で確認されている多重極磁場の生成はマントル深部に電気伝導的な非対流層が存在することで説明できるが、この非対流層の存在有無については不明であり、その検証が求められている。近年の研究により、アンモニアの超イオン固体相が惑星深部環境で存在することが明らかになったが、磁場生成を考える上で最も重要なイオン伝導特性については未だに決定できていない。本研究ではアンモニアを対象とした、高温高圧条件におけるイオン伝導率を測定し、超イオン相のイオン伝導特性を明らかにすることを目的とする。本研究で決定されるイオン伝導特性から超イオン物質が氷惑星の磁場生成に対して果たす役割について考察する。
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研究成果の概要 |
天王星と海王星の多重極磁場の生成に大きく関与する氷やアンモニアの超イオン相を安定に生成するための高温高圧発生技術を開発した。高温度環境で正確な圧力決定が可能なSrB4O7: Sm2+圧力マーカーを作成した。この圧力マーカーと外熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いて、氷の7万気圧, 600 Kを生成し、融解する様子を観察することに成功した。温度圧力を制御した時の物質相の解析に有効なラマン分光装置を導入した。温度上昇とともにラマン散乱のシグナル強度が著しく減少することを考慮して、高感度検出器を採用した。以上の高温高圧発生技術を用いることで、超イオン相の同定と共にイオン伝導特性の決定が可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した高温高圧発生技術を通して、天王星や海王星の主要物質である氷やアンモニアに惑星内部環境を提供することができる。今後、これらの物質相を同定した上で、イオン伝導特性を実験的に決定することで、マントル内部構造が明らかとなり、同時に天王星と海王星で観測されている多重極磁場の成因の解明につながる成果を得られることが期待できる。
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