研究課題/領域番号 |
20K22375
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
沼澤 正樹 東京都立大学, 理学研究科, 特任助教 (10880437)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 木星 / X線天文学 / 惑星磁気圏 / 粒子加速 / X線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、木星磁気圏における粒子加速の解明に迫るべく、惑星物理に新しいX線観測という手段を持ち込む。木星の放射線帯には高エネルギー (数十 MeV) 電子が存在する。太陽風や衛星イオの火山に由来するプラズマ粒子が起源とされるが、その正確な加速機構は未解明である。木星X線は、プラズマ粒子による電荷交換反応や高エネルギー電子による逆コンプトン散乱などで放射され、起源粒子の運動や組成、最高クラスの被加速粒子の分布を遠方から一度に捉えられる点で強力なツールになりうる。複数観測機による観測から、粒子の経路や分布に紐づく理論的なX線放射モデルを構築し、磁気圏の粒子加速研究における新手段の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではX線天文衛星「すざく」による木星の観測データと木星磁気圏における理論的な粒子分布モデルを用いて、木星からの広がった硬X線放射に関する放射メカニズムの検証を行った。独自の解析ツールを用いて、木星観測データをイメージとスペクトルの両面から解析し、木星磁気圏における粒子加速に大きく関係する高エネルギー電子の空間・エネルギー分布についての議論へと発展させた。木星からの硬X線放射を新たなプローブとして、将来的に木星磁気圏内の高エネルギー粒子をモニターできる可能性を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は木星系にX線観測という新たな手段を確立することを目指したものであり、惑星進化や系外惑星の理解に繋がる惑星科学の進展だけでなく、宇宙の様々なスケールで起こる粒子加速物理、プラズマ物理に寄与する成果へと発展しうる。電磁場を介した粒子加速の理解に、数十 MeV もの電子を加速する木星磁気圏が理想的な実験室としてもたらす知見は大きいと考える。本研究の成果は、木星磁気圏の高エネルギー粒子の分布を知る手段としてX線観測が有効であることを示唆するものである。
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