研究課題/領域番号 |
20K22394
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
磯部 和真 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (10880180)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 熱放射 / 二酸化バナジウム / メタマテリアル / 熱スイッチ / 酸化バナジウム / 熱論理回路 / 熱ふく射 / クロミック材料 |
研究開始時の研究の概要 |
温度変化に伴う結晶の相転移や電圧印加に伴う電気化学反応等に起因する,複数種のクロミック材料のふく射反射,吸収率の変化の原理を,自由電子の振動挙動である複素誘電率の測定を通じて伝熱学及び電磁気学の観点から統一的かつ定量的に解明し,クロミック材料を混成した多層膜型メタマテリアル構造近傍のふく射場の数値解析結果と合わせることで,温度や電位差の大小の組み合わせ条件によりふく射放射率を1もしくは0の間で可逆的に変調する熱スイッチ,いわば熱的な論理回路の実現を目指す.
|
研究成果の概要 |
本研究では,温度の大小によって屈折率が大きく変化する二酸化バナジウムを用いて,幅広い波長範囲の放射率の大小が入れ替わる熱スイッチの創成に取り組んだ.本研究で数値解析をベースに見出した多層薄膜型の熱スイッチは,太陽光の主成分である可視光と地表からの放射冷却に関与する赤外線の吸収,放射量を同時に制御が可能である.放射率に影響する薄膜内部で生じる共鳴現象の解析を通じて,多層薄膜の設計次第では外部からの電力の投入なしに,低温あるいは高温環境下で受熱もしくは放熱を自律的に促進可能となるという展望を示すことができた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今,省エネルギー化やゼロ炭素といった,地球環境へ配慮した社会の実現へ向けた技術の開発が急務とされている.本研究の主眼である熱スイッチや論理回路は,人類の快適な生活に不可欠な温熱環境を,周囲の環境に応答して外部動力を必要とせずに自律制御する技術である.本研究では,特に光やふく射が関わる熱の授受を周囲温度によって制御することに注力した.結果として,理論的にではあるが地表面の温度に強く影響する太陽光の吸収量と放射冷却の強度を同時に操る機能性複合材料を提案するに至り,今後の実証実験へ向けた足がかりを築くことができた.
|