研究課題/領域番号 |
20K22395
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
荒川 仁太 広島大学, デジタルものづくり教育研究センター, 特任助教 (80882018)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 接着接合 / 金属疲労 / 表面処理 / 疲労強度 |
研究開始時の研究の概要 |
自動車用鋼板SPCC590Yのみならず,近年注目を浴びているカーボン(炭素)を配合したプラスチック材料CFRPを母材とした新接合技術の開発および耐久性評価を行う.接合技術としては,熱硬化型エポキシ系接着剤を使用した接合技術に着目した.また,本研究にて注力するポイントは被着材表面に表面処理を施すことである.表面処理としてはウォータージェットピーニングと呼ばれる表面処理手法を改良したエタノール射出型ジェットピーニングを提案する.
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研究成果の概要 |
本研究においてターゲットとしていたのは,エタノール射出型ジェットピーニングの表面処理に伴う接着接合強度改善を狙っていたが,そもそも接着接合継手の耐久性強度や破壊メカニズムに関して不明な点が多く,本課題に関連して接着接合継手の破壊機構に関して検討を行った. 結果として,SPCC材を母材とする接着接合継手は水浸漬を施すことで,大幅に疲労強度が低下することがわかった.一方で,SUS材を母材とする接着接合継手は水浸漬によって大きく疲労強度は低下する傾向は見られなかった.そのため,SPCC接着接合継手においては水浸漬に伴う界面強度の低下を起因として,疲労強度が低下したことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
接着接合継手はマルチマテリアル化が期待される工業界において,今後の応用が多分に期待される.その中で,本研究にて明らかとした「接着接合継手の水劣化に伴う疲労強度低下」とその要因が「界面強度に低下によるものであること」を示唆した結果は,接着接合継手をあらゆる工業製品にて適用する上で,信頼性確保の観点から極めて貴重である. また,DCB試験によって疲労き裂進展速度を定量的に求めた結果,水浸漬ををこなうことで,劇的に同指標が低下すること示した.これは,接着接合継手をあらゆる環境下において使用する中で,き裂が少しでも入った場合,非常に危険側の結果を招くことを示唆するもので設計上重要な指針となる.
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