研究課題/領域番号 |
20K22409
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 祐太朗 東北大学, 材料科学高等研究所, 特任助教 (10882136)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピントロニクス / 反強磁性 / スピントルク / ワイル半金属 / スピン軌道トルク / 反強磁性体 / ノンコリニア / 異常ホール効果 / ノンコリニア反強磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
スピントロニクス分野の発展によって様々な磁気秩序を有する磁性体の電気的制御が可能になった。代表的な電気的制御の対象として強磁性体やコリニア(共線)反強磁性体があげられる。本研究では磁気構造が非共線的に秩序化したノンコリニア反強磁性体を電気的制御の対象として検討する。電気的制御のための駆動力については相対論的量子力学によって記述されるスピン起動トルクを用いる。ノンコリニア反強磁性の磁気構造にスピン起動トルクを作用させたときのダイナミクスを物理的に理解し、それに基づき従来の強磁性体・コリニア反強磁性体にない新たな機能を有したデバイスの創製を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではノンコリニア反強磁性体薄膜の量子効果ならびにスピントルク誘起ダイナミクスを解明するとともに、その応用を目指して行われたものである。ノンコリニア反強磁性体Mn3Sn薄膜の異常ホール効果、磁気光学カー効果の発生機構を明らかにし、スピン軌道トルクによるノンコリニア反強磁性体の反転に加えて、回転効果という従来の磁気秩序には見られなかった現象を観測することにも成功した。当該現象によってメモリ、乱数発生器や発振素子などが期待され、ノンコリニア磁気構造を利用した新規スピントロニクス素子への応用に向けた道を切り拓くことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピントロニクスでは「磁性材料の電気的制御」が最重要課題の一つである。従来、強磁性体がその制御の対象として研究されてきたが、近年、磁化がゼロの反強磁性体が注目されている。本研究ではその中でも巨大な異常ホール効果などの特異な性質を持つ、ノンコリニア反強磁性体に着目した。スピントルクによるノンコリニア反強磁性体のスピン構造の電流誘起反転を示すとともに、新規現象であるスピン構造の回転現象を発見した。加えてノンコリニア反強磁性体薄膜の種々の量子効果の生成因子も明らかにした。本研究によって、ノンコリニア反強磁性体を用いた新機能・高効率なスピントロニクスデバイスへの展開が期待される。
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