研究課題/領域番号 |
20K22416
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
前田 智弘 青山学院大学, 理工学部, 助教 (90880641)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モード分割多重伝送 / 空間光変調器 / 空間モード変換 / 光ファイバ通信 |
研究開始時の研究の概要 |
空間クロスモジュレーションは,光学拡散板と空間光変調器による2段階の空間位相変調により強度分布と位相分布の両方を制御可能なため,極めて高い光利用効率で空間モード変換が実現できる.しかし,変調器に与える分布を導出する計算と実光学系との乖離などにより,実験では十分な変換精度が得られていない. 本研究では,最適化アルゴリズムの導入による変換性能の向上および高次空間モード間変換の実現を目指す.導入する最適化アルゴリズムについては複数の手法について多角的に検討する.実験では,まず基本モードを入力とした変換においてアルゴリズム改良の効果を検証し,その後に高次空間モードを入力とした変換について性能を評価する.
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研究成果の概要 |
本研究では,将来のモード分割多重ネットワークにおける空間モードによるフレキシブルなルーティングの実現に向け,高次モードを入力とした空間モード変換技術の確立を目的とした.初年度は空間クロスモジュレーションにおいて空間光変調器に与えられる位相変調関数に対して入力光の位相分布を差し引くことによって,高次モードの入力に適応可能であることを示した.本年度は,位相変調関数の導出過程に遺伝的アルゴリズムを導入することにより,挿入損失とクロストークの両方を改善する方向への最適化の進行を確認した.加えて,実験で変換性能を評価し,高次モードを入力としたモード変換が可能であることを実証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が挑戦した「あらゆる空間モードを自在に変換する技術」の確立は,将来の超大容量光ファイバネットワークにおけるフレキシブルなルーティングの実現に寄与するものである.実験では,実験環境の困難さから現行の400 Gbit/s伝送システムで採用されている16QAM信号のクロストークしきい値である-25 dBを満足する精度は得られなかったが,数値解析では極めて高い精度での変換が可能であることが示された.また,提案技術では任意の波面を全く異なる別の波面へと変換することができるため,空間モード変換以外にも,「補償光学」や「3Dディスプレイ」など他分野への応用が期待できる.
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