研究課題/領域番号 |
20K22424
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
渡部 杏太 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (00871518)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピントロニクス / 宇宙応用 / 不揮発性メモリ / 放射線影響 / 強磁性体 / ナノテクノロジー / 異常Hall効果 / 重粒子イオン照射 / 放射線 / ソフトエラー / 異常ホール効果 / パルスレーザ照射 / スピンホール効果 / ナノスケール |
研究開始時の研究の概要 |
スピントロニクス素子を用いた不揮発性メモリは、その耐放射線性が報告されている一方、その作製と放射線影響評価の難しさから、微細な素子(<50nm径)における放射線影響を評価した報告は少なく、そのメカニズムは解明されていない。 本研究では、近年その作製・測定法が確立された磁性ナノドットアレイを用いて放射線照射の難易度を下げるとともに、ナノドットや測定の条件を系統的に変化させて実験を行い、微細スピントロニクス素子における放射線誘起ソフトエラーのメカニズムを明らかにする。加えて、放射線照射と併せてパルスレーザ照射実験を行い、微細スピントロニクス素子の放射線影響の簡易評価手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
不揮発性メモリに用いられるスピントロニクス素子は、概ね耐放射線性を有することが報告されている一方、その放射線影響メカニズムは解明されていない。これは、その作製と放射線照射実験の難しさが原因である。本研究ではその解明へ向け、短いターンアラウンドタイムで準備が可能な磁性ナノドットアレイ素子に着目し、放射線影響評価の容易化と効率化を目指した。実際に作製した素子で重粒子イオン照射実験を実施したところ、大線量照射にもかかわらず照射後にも異常Hall効果を観測することができ、提案する実験手法の実現可能性が確認された。また、世界に先駆けて、重粒子イオン照射によるHall抵抗レベルの不可逆な変化も観測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立した実験手法を用いることで、微細化が進んだスピントロニクス素子における放射線影響メカニズムの解明へ近づくことができる。その解明によって、放射線に対して信頼性を担保するデバイスや、宇宙用不揮発性デバイスの設計指針の議論が可能となることが期待される。また近年では、地上用途の一般的な集積回路においても、微細化・高集積化に伴う放射線耐性低下は問題となっている。本研究成果は宇宙用の電子部品の高性能化のロードマップを描くのに資するのみならず、海・空・宇宙まで通信領域を拡大するとされる次世代ICTの実現のための高信頼性デバイスの実現を根幹で支える基盤技術の醸成への貢献も期待される。
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