研究課題/領域番号 |
20K22426
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 典子 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (50876464)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | rainfall / terrestrial / freshwater / environmental DNA / macroinvertebrates / 環境DNA / 水生昆虫 / 降雨出水 / 流域生態系 / 河畔域 / 生物多様性 / 河川環境 / 河川環境健全度 / 無脊椎動物 / 水域ー陸域相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
河川には,水中に生息する生物由来のDNA(環境DNA)と,地表を流れた水が河川に流入するため陸生生物由来の環境DNAが存在する.これらを検出することで,河川周辺に生息する水・陸の生物相を把握できる.しかし,変動する河川流量に対していつ,どのような割合で水・陸の環境DNAが検出できるのか未解明である.本研究は,陸生生物由来DNAが多く流入すると考えられる出水時に着目し,出水の前・中・後において環境DNAと河川流量を経時的に観測する.これにより河川生態系を構成する水・陸生物の環境DNAを把握するために適切な調査タイミングが明らかになり,河川環境・生態系の保全に貢献できる.
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研究成果の概要 |
本研究は降雨を利用した集水域の水生・陸生無脊椎動物の生物多様性を同時かつ効率的に調査する手法の開発を目指すものである。野外において降雨の開始前から開始後まで連続的に採水を行い、また異なる降雨強度による差異を検討する予定だったが、複数人での調査に関する実施制限が続いた影響を受け、2回の降雨イベントのみ実施できた。河川水への雨水流入開始時点は電気伝導度の減少を指標とした。その結果、環境DNAによる塩基配列多様性は降雨水影響開始後から1時間後に増加しはじめ、陸生昆虫由来塩基配列も影響開始から時間が経過するほど増加する傾向が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
河川から提供される水資源や水質浄化機能は、私たちの生活に不可欠であり、これらの生態系サービスは多様な生物により構成された河川生態系の存在によるものである。陸上や水中など生態系を横断して生物多様性を把握することは、必要となる調査技術や種同定の専門性が高く労力が大きいことから、長期的かつ十分な頻度の観測が現実的ではない。本研究の成果は、河川を取り巻く水中・河畔環境を主とした水生・陸生生物の多様性に対する網羅的かつ効率的な把握戦略を示すものであり、汎用性の高い生物モニタリング手法の確立に貢献することが期待される。
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