研究課題/領域番号 |
20K22436
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 (2021-2022) 松江工業高等専門学校 (2020) |
研究代表者 |
芹川 由布子 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (50871349)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 液状化 / 家屋傾斜 / 健康障害 / 地震 / 住宅傾斜 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,傾斜が引き起こす健康障害により住家を失う事例が多く発生しており,目に見えた倒壊でなくとも住めなくなることがある.本研究では,震災被害を軽減させる上で大きな役割を果たすとされる住宅部分に焦点をあてる. 熊本市・札幌市で行った現地調査結果(傾斜量と健康障害の症状)を分析し,どの程度の傾斜量でどのような健康障害が発症するか,どの空間の傾斜が健康障害を引き起こす要因となっているかを明らかにする.それらの結果を指標化し,傾斜量に対する液状化対策の要求性能を設定する.住宅への性能規定型設計が確立されることで,震災後の住宅の傾斜被害防止だけでなく液状化によるライフラインの途絶等の被害軽減も期待できる.
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研究実績の概要 |
従来の液状化対策工法に、健康障害を指標とした傾斜に対する評価指標を設けることを目的とし、家屋の傾斜が住人の健康状態に及ぼす影響の評価を行う。これまでの調査では、2016年熊本地震および2018年北海道胆振東部地震の液状化被害発生地域における家屋の傾斜量を計測している。さらに、その家屋に住んでいる住人に対して健康障害に関するアンケート調査を行った。家屋傾斜量と健康障害の関係から、傾斜空間で発症しうる症状を明らかにした。 昨年度に引き続き、今年度も傾斜空間が身体に及ぼす影響を明らかにするため、重心動揺測定を用いた実験を行った。仰臥位および閉眼の状態で、傾斜空間滞在前後の重心動揺の軌跡の計測および、実験中の体調に関する問診を行った。この実験では、傾斜空間(床のみ傾斜を再現)に滞在していたことで、実験後の重心動揺の軌跡が大きくなる傾向がみられた。また、滞在中および滞在後の問診では、ふらつきや牽引感・立ち上がり後のめまいを感じたとの回答が得られた。 床の傾斜量の影響に加えて、視覚から感じとる傾斜量の検討も必要と考え、VRゴーグル(Meta Quest 2)を用いた実験を行なった。居住空間のモデルを作成し、傾斜した家屋内を再現した。床に傾斜量をつけること・視覚的に傾斜空間を再現することで、より実際の傾斜家屋に近い実験的検証が行えると考えている。現状では、VRゴーグルを装着する上での課題(VR酔い・モデルの再現度)について検討を行なっている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家屋の傾斜が身体に及ぼす影響を明らかにするため、重心動揺測定を用いた実験を行った。予備実験として、傾斜空 間滞在前後(仰臥位)の重心動揺の軌跡の計測および体調に関する問診を行った。加えて、VRゴーグル(Meta Quest 2)を用いた実験を行なった。居住空間のモデルを作成し、傾斜した家屋内を再現した。床に傾斜量をつけること・視覚的に傾斜空間を再現することで、より実際の傾斜家屋に近い実験的検証を進めることができている。 このように、データ整理と並行し、予備実験および実験条件の検討を行えているためおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの現地調査および予備実験の結果をもとに、傾斜角度および姿勢を再度検討し、どのような傾斜が健康障害の要因となっているかを明らかにしていく。その要因となっている傾斜に着目し、「被害をどの程度にまで抑える必要があるか」という基準を住人の健康障害発症事例をもとに定め、液状化対策の性能設計に導入することを提案する。
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