研究課題/領域番号 |
20K22442
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 翔平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20885595)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 空調システム / シミュレーション / VAVシステム / 制御パラメータ / デマンドレスポンス / 統合システムシミュレーション / 最適制御 / AHU・VAVシステム / 詳細制御ロジック / 熱源システム / VWVシステム / AHU / 高解像度最適制御 / デジタルツイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では流量計算や伝熱において各種原理に基づいたモデルを作成し、現実のシステムに近い時間周期(数秒単位以下)で制御状態をシミュレーション可能とするいわば空調システムのデジタルツインを作成する。そして、制御状態を逐次評価して各機器の最適な制御状態を導く制御手法を明らかにする。ここで提案する最適制御は、すべての機器の制御を同時に最適化するという意味で「高解像度最適制御」と称する。最適化の目的関数は省エネルギー性に加え、昨今重要性が高まる換気に代表される室内環境の制御性も考慮する。また、最適化の対象は制御パラメータに加え、制御ロジックそのものも含める予定である。
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研究成果の概要 |
空調システム・建築外皮の詳細な統合システムシミュレーションを構築し、詳細な制御ロジックを検討した。従来の設備シミュレーションは機器容量選定のためのエネルギーシミュレーションであるため制御ロジックの検討には適さない。統合システムシミュレーションは、熱源システム・二次側空調システムから成る中央式空調システムを可能な限り物理モデル化し、建築外皮を非定常モデル化することで構築した。本シミュレーションを用い、給気温度制御や各PI制御といった詳細な制御のパラメータの影響を算出・分析した。さらに、設定温度緩和、送水温度調整といった制御変更によるデマンドレスポンス効果や室内環境の変化も定量的に評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
省エネルギーや脱炭素の重要性が高まっているが、オフィスビルといった業務用建築物の空調システムを適切に設計・運用するためには高度なシミュレーションが不可欠である。従来のシミュレーションでは、詳細な制御を検討できないため設計や運用への活用が限定的であるという課題が残されていたが、本研究で構築したシミュレーションにより、詳細な制御の効果が評価可能になったと考えられる。本シミュレーションを活用することでより省エネルギーな空調システムの設計や、空調システムのより脱炭素な運用手法の開発ができるようになることが期待される。
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