研究課題/領域番号 |
20K22443
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
海塩 渉 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90881863)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 温熱環境 / 空気質 / 血圧 / 肺活量 / 実測調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は全世界の死因の7割を占める非感染性疾患(NCDs;Non-Communicable Diseases)のうち、循環器疾患・がん・呼吸器疾患の予防に資する居住環境のあり方に焦点を当てる。 現在の健康政策の主軸たる生活習慣改善(一次予防)は個人の努力に左右されるため、個人の努力に依存しない生活環境改善(ゼロ次予防)が注目されている。しかし、客観的なエビデンスが不足しているのが現状である。 そこで本研究では居住環境(温湿度・空気質)とそこに暮らす居住者の健康状態(血圧・肺活量)の測定を同時に行うことで、客観的エビデンスを獲得し、NCDs予防に貢献する住環境を探究する。
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研究成果の概要 |
本研究では全国の住宅やその居住者に対してフィールド調査を展開し、2020・2021年度の2年間合計で約200世帯の調査を完了した。住環境の指標として温熱環境・空気質・カビを、健康指標として循環機能・呼吸機能等を測定し、併せて住宅性能や個人属性等に関するアンケート調査のデータを得た。 2020年度に調査を実施した132世帯231名の分析から、冬の寝室室温の日較差が大きい(室温が不安定な)住宅や室内化学物質のStyreneの濃度が高い住宅の居住者は血圧が高いという有意な関連を得た。また木の香り成分であるα-Pinene濃度が高い住宅に住んでいる居住者は呼吸機能が良好に保たれる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、世界の死因の7割を占める非感染性疾患(循環器疾患・がん・呼吸器疾患)の予防に貢献する居住環境のあり方を探究するための基礎調査である。住環境指標(温熱環境・空気質・カビ)や循環器・呼吸器疾患に関連する健康指標(血圧・肺機能)を客観的に測定し、その関連を検証した事例は世界的に見ても僅少であり、この点が学術的意義と捉えている。また、住宅内の温熱環境・空気質と血圧・肺機能に有意な関連が認められたことから、良好な居住環境の提案に向けた知見が得られつつあり、本研究成果の社会的意義に繋がるものと期待している。
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