研究課題/領域番号 |
20K22444
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 (2023) 東京工業大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
川口 真晴 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 非常勤教員 (70884609)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 都市防災 / 不確実性 / アンサンブル解析 / 乱流 / LES / 台風 / 竜巻 / 連成解析 / 極端気象 / 市街地 / 防災 / 都市 / 大気現象 / 耐風設計 / 数値流体解析 / 空気力 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,台風や竜巻による甚大な被害が頻発し,極端気象に対して市街地の安全性を確保するための建築基準等の妥当性の検証や,突風現象の特殊な空気力に対する合理的な設計指針の策定の必要性が高まっている.本研究では申請者らが構築した気象場と市街地での流れを一体的に計算する手法により,極端気象の構造に由来する強風特性やその不確実性をアンサンブル解析により定量的に評価する.また解析内の多数の建物周りの流れ場からビッグデータを作成し市街地の形態による影響を統計的に評価する.さらに建物被害推定モデルを流れだけでなく建物側の構造や挙動を考慮して予測するように高度化する.これらにより指針検討に有用な基礎データを示す.
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研究成果の概要 |
台風の気象擾乱構造の不確実性および竜巻経路の不確実性を表現したアンサンブルに対して,気象モデルと工学ラージエディシミュレーションのハイブリッド解析を実施し,気象場と市街地の流れ場のアンサンブルビッグデータを作成した。台風については,特に極端な強風発生時の境界層の気流構造特徴を明らかにし,気象擾乱により市街地での風速変動がより強化されている可能性が統計的に高いことを示した。また最大瞬間風速の不確実性に関する評価を行った。竜巻については実市街地での最大瞬間風速の空間分布に関する不確実性を分析した。被害推定モデルの高度化に向けて大自由度解析内で建物変形や挙動を表現する連成プログラムの開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では,大気乱流を適切に取り扱った解析手法により,顕著台風の境界層が詳細に解像され,構造的な特徴が示された。また,これまで工学的な見地からは十分に明らかにされていなかった地表近傍での強風発生に対する気象擾乱の影響について評価が実施され,強風発生の不確実性に対する定性的・定量的な知見が得られた。これらの結果は,将来的な耐風設計の改良を行う際の基礎的な資料となることが期待される。さらに市街地の強風被害のリスク推定や減災手法の検討においても活用できるものと考えられる。
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