研究課題/領域番号 |
20K22446
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
パク ミンジョン 岡山大学, 環境生命科学学域, 特任助教 (80881094)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ハンセン病 / 国立療養所 / 居住環境 / 住宅計画 / 入所者 / 患者住宅 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では国立ハンセン病療養所を一施設である以前に日常が営まれてきた町としてとらえ、開園から現在に至るまで施設内の住宅計画の変遷をもとに住宅地が形成される過程について明らかにし、高齢化が進む地方集落の先端事例として今後の住宅計画における知見を得ることを目的とする。町の拡張と縮小、高齢化、空家の増加、集約といった課題について、ハンセン病療養所が時代の先端を走るものと捉え、人々の生活の根幹である住宅の変遷をたどることにより、今後の社会への知見を得ることができると考える。
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研究成果の概要 |
医療施設ではなく居住施設としてのハンセン病療養所の機能に着目し、社会背景や居住者ニーズの変化に対する入所者住宅の変遷について調査を行った。患者住宅の数や立地、入所者数や年齢構成の推移、施設整備状況などから各療養所の住宅計画を明らかにし、全体の傾向やそれぞれの施設特性について分析を行った。同じ制度下で設置、運営された施設であっても建設時期や立地状況によって異なる特徴が見られ、療養所に対する各々の思想が施設計画に現れる事例が確認された。これらの特徴は施設の拡大、縮小など変革期において顕著に表れる傾向にあり、今日では終の住処の選択や外部への施設開放などの面で違いが表れることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての施設は目的と用途に応じて計画されているため、療養所の住宅計画の変遷を追うことは、近代の衛生政策と患者の療養生活の関係を明らかにすることであり、建築計画史の側面において重要な意味を持つ。これまでも個々の療養所に対する調査は行われてきたが、国立療養所13か所を網羅的に調査するのは初の試みである。ハンセン病療養施設の建設は諸外国でも多数確認されており、特定の療養所や時期に限らず全体像を明らかにしたことで、国際社会における日本の療養所の位置づけを明確にするための基礎的データとしての役割が期待できる。
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