研究課題/領域番号 |
20K22453
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
菅原 彬子 近畿大学, 建築学部, 助教 (90878175)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 3Dプリンター / 吸音材開発 / 音響メタマテリアル / ダイヤモンド構造 / 有限要素法解析 / 吸音材 / 材料開発 / 3Dプリンタ |
研究開始時の研究の概要 |
まず、音の波動論や固体物理学的な理論に基づき、所望の物性値を実現する音響メタマテリアルの機構・形状・素材を設計する。 次に、その特性を有限要素法解析により検証する。 続いて、上記で検討した音響メタマテリアルを3Dプリンタで作成し、無響室実験および現場測定により、その吸音性能を検証する。 最後に、音響メタマテリアルの機構・形状・素材と吸音性能の関係を整理し、データを蓄積する。また、それを基に所望の特性を有する音響メタマテリアルの設計方法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では,自然界に存在する結晶構造や共鳴器構造を単位格子とした周期構造を設計し,有限要素法解析や実験的検討によりその垂直入射吸音特性を検討した.実験的検討では,3Dプリンターで実際に設計構造を造形し,音響管を用いて垂直入射吸音率を測定した. これらの結果より,単位格子のパラメータチューニングにより,様々な吸音特性を実現できることが示唆された.また,孔部にグリッドを付けた共鳴器を単位格子とすることで,低・中周波数帯域で安定した吸音特性をもつことがわかった.以上の知見より,提案構造は,状況に応じた所望の特性をもつ吸音材となり得ることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来用いられてきたグラスウールなどの無機系多孔質吸音材には,重力等による性能劣化や,低域の吸音率の低さなどの問題があった.3Dプリンターの発展により近年着目される人工材料である音響メタマテリアルは,次世代材料として注目されているが,建築環境工学分野での応用例はまだ少ない.よって,本研究で,3Dプリンターを用いて所望の吸音特性をもつ様々な吸音材を作成できる可能性を示したことで,従来の吸音材の課題を解決した新たな音響材料開発の発展に寄与する.また,これにより,従来の施工条件に縛られない新たな室内空間の創出につながると期待される.
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