研究課題/領域番号 |
20K22454
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学短期大学部 |
研究代表者 |
鈴木 諒一 日本大学短期大学部, その他部局等, 助手 (40875043)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 室内音場 / 低周波騒音 / 固有振動 / 周波数スペクトル / 減衰除去インパルス応答 / 周波数変動係数 / 音響エネルギー密度 / 音圧 / 粒子速度 / 建築音響設計 / 健康被害の防止 |
研究開始時の研究の概要 |
風力発電やエコキュート等の設備が発する低周波騒音が、建築空間内の共鳴現象である「固有振動」により局所的に増幅され、滞在者に「頭痛」「不眠」「圧迫感・不快感」等の健康被害を及ぼす事例が報告されている。そのため、建築空間の評価・設計手法として「固有振動の制御方法」の確立が急務である。本研究では低周波騒音による健康被害を防止する建築空間の音響設計・評価手法を確立するため、本研究期間内に、1)固有振動の発生原因の特定に必要な「固有振動の方向検出手法」、2)被害程度の評価に必要な「固有振動による低周波騒音の評価方法」を開発する。
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研究成果の概要 |
低周波騒音による健康被害を防止するため,居住空間で生じる共鳴現象である固有振動の評価手法を提案した。本研究で得られた成果は以下の通りである。 1. 粒子速度ベクトルを分析することで,固有振動の方向を検出できることを示した。2. 音響エネルギー密度のパワースペクトルによって,測定点にあまり依存せずに固有振動を分析可能であることを示した。3. インパルス応答から減衰を除去した減衰除去インパルス応答を周波数分析することで,減衰によって不明確となっていた固有振動をより明確に分析できることを示した。4. 周波数変動係数を用いることで,固有振動の影響を受けた音圧レベル分布の一様性を評価できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国において「環境問題」対策の一環として省エネルギー,再生可能エネルギーの利用が強く推進されている。しかし,そのための設備(例:ヒートポンプ給湯器、風力発電等)が発する低周波騒音が健康被害を発生させる問題が報告されている。そのため、環境問題対策を推進していくのと同時に低周波騒音の対策が必須である。 本研究では小規模な建築空間で問題となる低周波音の共鳴現象である固有振動の評価指標を開発した。本研究成果によって,既存の手法だけでは困難であった固有振動を制御して健康被害を防止する新しい小規模空間の音響設計手法の提供が可能となる。
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