研究課題/領域番号 |
20K22457
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
久志本 築 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10846439)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粉体シミュレーション / 湿式ボールミル / DEM-CFD / 再凝集 / セラミックス / シミュレーション / DEM / DEM-CFD / 混相流 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ粒子を用いたセラミックスの高性能化・多機能化に関する報告があるものの,気相法や液相法により製造されるため,得られる粒子は凝集体であり製造量が少ないことが実用化に向けた課題となっている.そのため,分散した粒子を大量に製造可能な湿式ボールミルを用いた粉砕によるナノ粒子の製造の実現が期待されている.しかしながら,粉砕中に逆に粒子径が増大する“再凝集”が発現するため,ナノ粒子の製造自体が難しく,その発現メカニズムも解明されていない.そこで本研究では,粒子の再凝集挙動を表現可能なシミュレーション手法を新規に開発し,再凝集挙動を解析することで,再凝集の発現メカニズムの解明とその抑制方法の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
湿式ボールミルによるセラミックス粒子粉砕時にみられる再凝集現象の発現メカニズムの解明およびその抑制方法の開発を行った。再凝集現象はミル内で発生する粒子スケールでの現象であるため、実験的に解析が困難であることから、再凝集現象を解析可能とするシミュレーション手法を独自に構築した。そのシミュレーション手法を用いて再凝集現象の発現メカニズムを解析し、再凝集は媒体ボールの接近・離隔時に生じる流体流れの淀みに粒子が寄せ集められることによって引き起こされる現象であることを明らかとした。さらに、その淀み領域を減らすために媒体ボールの接近・離隔時の相対速度を速くすることで再凝集を抑制できることも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでそのメカニズムが明らかとされてこなかった湿式ボールミル内で生じる再凝集に対し、独自に開発したシミュレーション手法を解析ツールとして応用することでその発現メカニズムを明らかにした点で学術的な意義がある。 また、ナノ粒子の量産化の実現には、湿式ボールミルのような粉砕によるナノ粒子製造の実現が必要不可欠であるが、これまでは再凝集現象の抑制が困難であるため、その量産化も難しいとされてきた。本研究では、その再凝集のメカニズムだけでなく抑制方法も明らかにできたことから、ナノ粒子の量産化を実現する上で重要な知見を得た点で社会的意義がある。
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