研究課題/領域番号 |
20K22461
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
李 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 特任助教 (80876706)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インターカレーション型正極 / 協奏的相互作用 / デュアルカチオン / 金属負極 / 溶媒和構造 / 蓄電池 / 蓄電池材料 / スピネル酸化物 / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代蓄電池を実現するには,既存の枠にとらわれない新たなアプローチが不可欠である.Li-Mgデュアルカチオン電池は,2種類のキャリアカチオンを同時に電極反応に参加させることによって,従来の単一キャリア系では解決し難い課題に対して打開策を提示した.本研究課題では,Li-Mgデュアルカチオン電池の実用化に向け,正極材料候補を熱力学・速度論の両面から探査し,高性能を有する正極材料の設計指針を確立することを目指す.本研究は,応用面だけでなく,遷移金属化合物の組織制御学やイオン伝導を扱う固体イオニクスにも新たな知見をもたらし,学術の発展に貢献することが期待できる.
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研究成果の概要 |
リチウムとマグネシウムの2種類のキャリア(電荷担体)を併用するデュアルカチオン電池は,従来の単一キャリアを使用した電池の固有な問題点を解決する可能性を秘めている.本研究は,キャリアの挿入・脱離反応を利用するインターカレーション型正極において,2種類のキャリアが正極に共存できる組成範囲を調査し,電極材料の高性能化を検討した.特に,多様な結晶構造をもつ二酸化マンガン多形をモデルとして,キャリアの共存に適する構造を考察した.また,正極の研究に並行して,2種類のカチオンを含む電解液において,負極上の金属の析出・溶解挙動を調査し,電解液構造の改変により,キャリアの析出形態が制御できることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エネルギー・環境問題を解決するため,再生可能エネルギーの導入拡大と自動車の電動化が推進されている.蓄電池技術はその中核の1つであり,高性能化と低コスト化が期待されている.現行のリチウムイオン電池はすでに理論上の限界を迎えており,新規蓄電池技術の開発には新しい設計方針が必要である.本研究は2つのキャリアを併用する蓄電池系の構築に向け,反応過程の基礎的理解を深め,イオン伝導現象や,酸化物の相平衡や構造制御や,金属負極の形態制御に関して知見を得た.これらの知識は新規蓄電池の実現につながることを期待する.
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