研究課題/領域番号 |
20K22469
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中谷 都志美 広島大学, デジタルものづくり教育研究センター, 特任助教 (80882050)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ゴム・エラストマー / X線CT / 複合材料 / 高分子構造 / X線CT / NMR / フィラー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複雑な化学的架橋構造を有するゴム・エラストマー材料、複合材の表面・界面ナノ構造と物性を解明することを目的としている。 一般に、複雑な架橋構造を有する多成分系材料の分析・評価は、組成因子が多岐に渡ることから適切な評価法の確立を難解にしている。さらに、材料の界面構造や分子の分布、接着現象は未だ十分に解明されていない点も研究をより複雑にする要因である。 表面・界面の形状観察や、結晶/非晶性の評価をサンプルの観察・測定スケールに見合った機器分析、具体には固体・溶液・パルスNMR、IR、X線CT測定、TG-MSと複合的に行うことで、材料の表面及び界面で起こる現象のメカニズムの解明を達成する。
|
研究成果の概要 |
ゴム材料の劣化因子の一つである環境温度に着目し、低温環境下におけるNR/BRブレンドゴムの低温結晶性及び運動性に対する架橋の効果について検討した。架橋密度が低いサンプルほどポリマーのコンフォメーションの変化が起き易く、低温時に高分子結晶が誘発されやすい現象を、室温時と一定期間低温保管したサンプルの動ばね変化率、DSCによる結晶融解エンタルピー変化率、パルスNMRのT2変化率により解明した。また、低温結晶化にはNRの運動性の変化が寄与することも固体NMR測定で確認できた。さらに、高分子材料のX線CT撮像の高コントラスト化を、重元素モノマーを高分子母材へグラフト重合させることで達成できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低温環境下で週末のみ車を使用する場合に、振動制御の機能低下が報告されている。エンジンマウントの防振ゴムの硬化が時間の経過によって発達し、ばね定数が大きくなったことが原因と考えられるが、運転により温度が上昇することで、ばね定数が低下し、硬化したゴムの弾性が回復することが分かっている。 本研究では低温環境下におけるゴム・エラストマー材料の機能低下に関する評価法を確立し、さらに高分子材料の巨視的な構造解析法の改善を行うことで、これまで高分子材料の母材と添加剤の構造の区別が困難であった複合材料のX線を用いた構造観察の領域において、造影剤による改善法を確立し、社会実装を目指す。
|