研究課題/領域番号 |
20K22471
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
村上 裕哉 東京理科大学, 工学部工業化学科, 助教 (80880757)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ゲル化剤 / Hansen溶解度パラメータ / 機械学習 / ゲル化予測 / 溶解度パラメータ / ニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
近年,低分子量ゲル化剤を用いたゲル作製において,分散媒のHansen溶解度パラメータを利用したゲル化可能条件の整理が進められている.本手法によりゲル化の定性的な指標が得られる一方で,ゲル化条件の定量的な予測手法は確立されていない.本研究では,ゲル化条件の予測を多次元空間における二値分類問題と解釈することで,ニューラルネットワークの構築と最適化を行い,ゲル化確率を明示可能なゲル化判定モデルの構築を目指す.また,用いるゲル化剤の物性を入力値として組込むことで,基本的な物性測定と分散媒のHansen溶解度パラメータのみからゲル化確率を算出する.以上により,ゲル化剤・ゲル設計の効率化に貢献する.
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研究成果の概要 |
本研究ではゲル化剤を利用した超分子ゲルの作製に関して,ゲル化に適する溶媒の選定手法の確立を目指し,種々の溶媒を用いたゲル作製とその評価を行った.12-hydroxystearic acidをゲル化剤として用いた場合,Hansen溶解度パラメータのうちの水素結合パラメータを用いることでゲル化傾向が予測可能であった.加えて,ゲルの透過光量とHansen空間上のゲル化剤・溶媒の類似度の間に強い線形相関関係がある事が明らかとなった.透過光量はゲルの内部の分子構造を反映していると考えられるため,ゲル化のメカニズムや傾向を定量的に把握する上で重要な指標であることが示唆される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超分子ゲルは,弱い分子間の結合によって形成されるゲルであり,光・熱・pHなどに応答して構造崩壊が起きるため,薬物輸送システムやセンサーなどに活用される.本研究では,分子構造を反映可能なHansen溶解度パラメータを活用することで,このようなゲルの形成可否および物性を予測する手法の構築を目指した.結果,ゲルの透過率と用いる溶媒のHansen溶解度の間に強い線形相関関係がある事が明らかとなり,ゲル物性の制御・予測にはこれらの指標が重要であることを明らかにした.本研究の成果により,超分子ゲルの物性制御が可能となり,本材料のより広範な分野での活用が期待される.
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