研究課題/領域番号 |
20K22478
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗原 貴之 東京大学, 物性研究所, 助教 (60880151)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中赤外 / パラメトリック増幅 / 光源開発 / スピンホール効果 / テラヘルツ / 光物性 / 高次高調波発生 / 逆スピンホール効果 / 光伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
中赤外光(MIR)やテラヘルツ波(THz)中の強電場によって固体中の電子が強く駆動されると,バンド構造を強く反映したブロッホ振動や高次高調波発生等の非摂動論的な電子ダイナミクスが生じることが知られている。しかしこうした強電場下における電子ダイナミクスにおいて,電子の持つスピン自由度がいかなる影響を及ぼすかについての実験的検証はほとんど進んでいない状況である。そこで本研究ではスピン軌道相互作用の大きい常磁性体(Pt, Biなど)をターゲットとして,コヒーレントな高強度MIR電場下における逆スピンホール効果を測定し,非摂動論的な電子伝導においてスピン自由度が及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,高強度電場下の電子ダイナミクスにおけるスピン自由度の影響を検出するために必要な,高い安定性を持った数サイクル赤外光源の開発を行った。Yb再々増幅レーザーをポンプ光として用い,インライン差周波発生とパラメトリック増幅によって2 um帯においてキャリアエンベロープ位相が固定された数サイクル中赤外パルス光の発生に成功した。また,テラヘルツ時間領域分光を用いて半導体GaAs中の電子ダイナミクスにおけるスピン偏極効果をプローブし,光誘起異常ホール効果を捉えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高強度光電場下で生じる様々な非線形電子応答は物質の特性を観察・制御するために欠かせない手法となりつつあり,電子デバイスや材料開発にとって重要な知見を与える。そうしたダイナミクスを非常に感度よく検出するためには光源の安定性が欠かせない。今回確立したレーザー光源は同種の光源としては最高レベルの安定性を持ち,将来的には様々な物質系における非線形応答の精密測定に応用できると考えられる。
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