研究課題/領域番号 |
20K22485
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
宇佐美 雄生 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 助教 (60878437)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リザバー演算 / 光応答素子 / 金属酸化物 / 物理リザバー / 電気化学演算素子 / ナノ物質界面ネットワーク / 音声認識 / 脳型演算素子 / 導電性高分子 / 電気化学デバイス / ナノ材料 / リザバーコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脳神経回路の仕組みを模倣して学習や認識を行う人工知能(AI)が大きく注目されている。しかしながら、既存のデバイス素子開発では材料の状態の揺らぎが演算処理を悪化させる致命的な要因となっているため、情報処理の動作環境の制約が存在する。本研究では、ナノ物質の持つ非線形応答性、自己組織性を用いてネットワークを構築し、電荷移動過程に状態の揺らぎを持ち込むことで、忌避すべきものであった揺らぎを逆に情報処理に活用し、材料そのものを計算資源として用いる「マテリアル知能」というべき新たな分野を切り拓く。
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研究成果の概要 |
本研究は、自己組織的に組みあがるナノ物質ネットワーク界面の持つ電気的な特性を抽出し、揺らぎを駆動力としたリザバー演算を実行することを目的として、光応答性の強い物質であるα-Fe2O3/Ti-Bi-Oナノ粒子複合体を用いてリザバー演算を実装した。構造解析の結果からナノ粒子の形成を確認し、光照射により電流値が上昇し、界面におけるイオン伝導が支配的であることを明らかにした。さらに代表的なベンチマークである波形生成タスクの結果、一定量の光照射により電流ノイズ量を最適化することで波形予測精度が上昇することを見出した。以上の結果から、光照射による揺らぎによるリザバー演算性能の制御に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、光応答材料を演算部に組み込むことで、外部からの光刺激により電流ノイズの量が最適化され、演算機能が制御可能となることを見出した。本研究の進展により、ノイズや揺らぎといったこれまで演算機能向上の妨げとなっていたものを逆に活用する、真に脳機能を模倣した演算処理の実現が期待される。
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