研究課題/領域番号 |
20K22486
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
苗 蕾 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60455540)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MgAgSb熱電材料 / 廃熱発電 / 放電プラズマ焼結 / 電気特性 / 熱伝導率制御 / ミクロ孔 / Cuドープ / thermoelectric / α-MgAgSb / micro-pores effects / low thermal conductivity / Cu / cold energy / modulation doping / ZT / thermoelectrics / cryogenic temperature / MgAgSb / cold energy utilization / 低温・冷凍熱源利用熱電技術 / p型Cuナノ粒子添加MgAgSb熱電材料 / 遊星ボールミリング合成法 / Cuナノ粒子変調添加法 / 熱電特性発現物理機構 |
研究開始時の研究の概要 |
熱電素子による低品位の低温・冷凍熱源から高効率熱発電実現のため、Cuナノ粒子添加p型MgAgSb熱電材料を高性能化する精密合成法と熱電特性発現機構を解明する。 基材のMgAgSbの合成に、低価格化を視野に、簡便な方法の一つである遊星ボールミリング合成法を適用し、その最適プロセスを見出す。 我々の先行研究で培われた方法を発展させたCu変調添加(modulation doping)法を用い、高濃度Cuナノ粒子添加サブミクロン領域をCu濃度の低いMgAgSb基材中に比較的均一分散する組織構造による高性能化を目指す。 また、熱電特性発現メカニズムを計算科学の援用により考察し高性能化の指針を得る。
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研究成果の概要 |
通常タイプの遊星ボールミリング法と放電プラズマ焼結法を用い、塊状のCu添加合金MgAgSb基熱電材料を合成できた。AgサイトにCu原子を置換することにより、MgAgSb基材料の電気特性を向上させた。複数パラメーターを最適化した結果、MgAg0.93Cu0.02Sb0.98試料のPFを2111 μW/mK-2 @ 523Kに向上させた。ドープしていないものより18%増加した。 更に、その内部構造を階層構造化することやミクロ孔を形成するなどよりκを低く抑え、MgAg0.935Cu0.015Sb0.98@ 60 MPaでは ZT ~ 1.08 @473 K のchampion data が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱電発電ではエントロピーの高い低品位の低中温熱源(LNGや石炭を燃料とする火力発電所や様々な産業プロセスからの100℃以下の大量廃熱、冷熱産業や人体を含めた様々な環境周囲からの200K-常温範囲の未利用熱など)から、高品質の電気エネルギーに変換できる技術で、通常のRankine サイクル利用の熱水蒸気発電システムに比較して、可動部分を少なくし単純化できる発電プラント構成にできる等の優位性から、省エネルギー・地球温暖化問題に寄与できるために大きな期待がかかる。今回研究した熱電素子は ZT ~ 1.08 @473 Kに達し、その学術的意義は高く、上記応用分野に充分適用可能で社会的意義も高い。
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