研究課題/領域番号 |
20K22497
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 理紗子 京都大学, 工学研究科, 助教 (40881694)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多糖 / ナノゲル / 光音響イメージング / 免疫療法 / ナノ粒子 / ナノ微粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法は新規がん治療法として近年注目されており、多くの癌腫に対する臨床応用が進んでいるが、その過程において免疫療法が奏効せず悪性度が高い “Cold Tumor” の存在が明らかにされている。そこで本研究では、多糖ナノゲルを基盤としたCold Tumorの免疫環境選択的な光音響イメージング造影剤を開発する。さらに、悪性度の高いがんはセンチネルリンパ節への転移性も高いことから、光音響イメージングにより早期にリンパ節転移がんを診断するための造影剤も開発する。 本画像診断の確立により、がん免疫療法の治療効果の予測と治療方針の決定に有用な画像情報を提供することで、がん免疫療法の進展に貢献する。
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研究成果の概要 |
Cold Tumor に分布するM2 型マクロファージを標的とした多糖ナノゲル型光音響造影剤を開発した。親水性多糖のプルランに、近赤外蛍光色素の IR-820 と M2 型マクロファージ標的部位としてマンノースを修飾した PMI を設計・合成した。PMI は水中で IR-820 の疎水性相互作用によりナノゲルを形成した。M2 分化マクロファージとの相互作用は、マンノース修飾により取り込みが増大していることが明らかとなった。担癌マウスへナノゲルを尾静脈投与し光音響イメージングを行った結果、PMI ナノゲル群は腫瘍集積性を向上し、マンノース未修飾群と比較し高いコントラストでの造影を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、M2 型マクロファージと能動的に相互作用し、高い腫瘍集積性を示すナノゲル型光音響造影剤を開発した。このナノゲル型光音響造影剤は、Hot Tumor との造影能の比較を実施することで、腫瘍免疫環境の違いから Cold Tumor の非侵襲的かつ特異的な造影および診断を実現し得ると期待される。さらに、腫瘍免疫環境を正確かつ早期に画像化することにより、臨床医ががん免疫療法の治療効果を予測し、治療方法を決定する際の重要かつ有用な情報を提供可能になる。
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