研究課題/領域番号 |
20K22505
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
宗像 理紗 帝京大学, 薬学部, 助教 (90879694)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん免疫 / マイクロバブル / 超音波 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 抗 PD-1 抗体 / 抗PD-1抗体 / がん免疫療法 / バブル / Immunogenic cell death / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
抗 PD-1 抗体によるがん免疫療法はがん種により奏効率が大きく異なり、免疫原性の低いがんにおける奏効率の向上が課題である。がんの免疫原性を高めることで、抗腫瘍的な免疫応答が誘導され、抗 PD-1 抗体の作用増強が可能になる。現在、放射線療法や化学療法などによってがん細胞の免疫原性細胞死 (Immunogenic cell death; ICD) を誘導し、抗 PD-1 抗体の作用増強が行われている。本研究では、従来の放射線療法や化学療法よりも全身性副作用リスクの低い、超音波と超音波応答性バブルを用いた新規 ICD 誘導法の確立を試みる。
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研究成果の概要 |
近年注目されているがん免疫療法は、患者により反応性が異なるため奏効率を向上する併用療法の開発が求められている。本研究では、マイクロバブルが超音波照射された際に生じる機械的エネルギーを利用して、がん免疫療法治療薬である抗 PD-1 抗体の治療効果増強を試みた。マイクロバブルと超音波による治療を抗 PD-1 抗体治療に併用したところ、大腸がんや乳がんモデルマウスで腫瘍増殖の抑制が確認された。また、腫瘍内を解析したところ抗腫瘍的な免疫細胞の増加が確認された。このことから、本治療法が腫瘍内の免疫環境を変化させることで抗 PD-1 抗体の治療効果を増加させる有用な併用療法になるものと期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、マイクロバブルと超音波による治療をがん免疫療法治療薬である抗 PD-1 抗体治療に併用し、その抗腫瘍効果を評価した。その結果、大腸がんモデルマウスにおいて、腫瘍の完全退縮例の増加が確認された。また、乳がんモデルマウスにおいて、腫瘍増殖の抑制が確認された。これらの結果は、マイクロバブルと超音波による治療が、異なるがん種に対して抗 PD-1 抗体の治療効果を増強する有用な併用療法になることを示唆している。そのため、本治療法の最適化を進めることで、現在問題となっているがん免疫療法の奏効率を向上するための有用な併用療法になり得ると期待される。
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