研究課題/領域番号 |
20K22506
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
垣内 健太 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (30875422)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 急性呼吸窮迫症候群 / 急性肺障害 / 液体換気 / 完全液体呼吸 / 肺洗浄 / 酸素過飽和水 / 酸素運搬体 / 過飽和酸素 / 急性肺疾患 / ARDS / 肺炎 / 酸素富化水 / 完全液体換気 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は感染症や肺炎を契機とする急性肺障害の新たな治療法として期待される完全液体換気(TLV)を実施する新規TLVシステムの構築を目的とする。TLVは人工呼吸法の1つであり、液体を介した呼吸を行うことでガス交換と肺洗浄を同時に行うことができ、特に炎症により虚脱した肺に対して有効と考えられている。本研究では、医療現場において汎用されている生理食塩水を基本材料として選択することで安価かつ安全にTLVを行える新しいTLV技術の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
完全液体換気(TLV)はガスの代わりに液体を用いた人工呼吸法であり、難治性肺疾患の治療法として確立が期待されている。しかし、これまで使用されてきた液体材料は、価格、温室効果係数、代謝性に課題があり、新しい材料を用いたTLVシステムの構築が求められている。今回、私は加圧装置により調製した酸素過飽和水を用いた新規TLVシステムを構築した。in vitro試験ではその有用性が示されたものの、in vivo試験では肺内部での液体の還流障害が確認され、目標の達成には至らなかった。しかし、本実験結果は、還流障害の課題を解決することで新しいTLVシステムを確立できる可能性を強く示唆するものであった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TLVは難治性肺疾患の治療法として注目されているが、液体材料の課題により研究の発展を妨げられている。今回、私は臨床で汎用されているリン酸緩衝生理食塩水を液体材料として用いることに挑戦し、独自のTLVシステムを構築することでその可能性を示すことができた。動物実験にて本システムの有用性が示された場合、材料の安全性やコストの観点から迅速に大型動物への応用に展開できると期待される。また、治療対象としている急性肺障害はウイルス性肺炎や誤嚥性肺炎も原疾患となる疾患であり、世界的に深刻な医療課題を解決できる可能性を秘めている。以上の点から、本研究成果は学術的および社会的意義の高いものであるといえる。
|