研究課題/領域番号 |
20K22514
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森川 久未 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90707217)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | iPS細胞 / 心臓 / ペースメーカ細胞 / 幹細胞 / 生体材料 / 再生医学 / ヒトiPS細胞 / 三次元組織化 / 組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓の洞結節に存在するペースメーカ細胞は、自動能と呼ばれる特殊な電気刺激を発する。この自動能が洞結節から心房へ一方向性に伝導することにより、心臓の規則正しい拍動が生み出される。この現象には洞結節の特殊構造が重要な役割を果たしていると推定されてるが、ヒト生体からの洞結節採取は困難であるため研究は進んでいない。そこで本研究では、ヒトiPS細胞由来のペースメーカ細胞と心房筋細胞、さらに生体材料を用いて生体外で機能性をもつ三次元洞結節組織を作製する。さらに、作製した三次元洞結節組織を用いて、ヒト心臓の拍動制御機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
心臓の規則正しい拍動は、洞結節に存在するペースメーカ細胞が制御しています。ペースメーカ細胞が発する電気刺激(自動能)が一方向性に下流の心房、心室に伝わることにより、ヒト心臓の協調した収縮が生み出されます。しかしながら、ヒト心臓からペースメーカ細胞を直接採取することは困難であるため、ヒトペースメーカ細胞の解析はほとんど進んでいませんでした。そこで本研究では、ヒトiPS細胞からペースメーカ細胞を高純度に分取できる実験系を利用し、ペースメーカ細胞の高効率の分取法について検討しました。さらに、生体材料を用いたヒトiPS細胞由来心筋細胞の三次元組織化について開発を行っています。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってヒトiPS細胞由来ペースメーカ細胞の高純度の分取が可能となりました。また、心筋細胞の三次元組織化にも取り組んでいます。本研究から得られたヒトペースメーカ細胞の知見は、不整脈疾患の疾患原因の解明や治療法の開発につながることが期待できます。さらにこの将来展望としては、分取したペースメーカ細胞を生物学的ペースメーカ細胞として、不整脈疾患、特に徐脈性不整脈の再生医療の移植用の細胞源として使用することが可能となります。加えて、分取したペースメーカ細胞は創薬開発時の試験細胞として毒性評価や抗不整脈薬のスクリーニングに利用するなどの創薬への応用ができます。
|