研究課題/領域番号 |
20K22527
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 晃 京都大学, 薬学研究科, 特定研究員(特任助教) (60880739)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機ラジカル触媒 / C-H結合活性化 / 光酸化還元触媒 / 水素引き抜き / 水素原子移動触媒 / レドックスメディエーター / ラジカル触媒 / フォトレドックス触媒 / ラジカル / イミニウム塩 / 求核付加 |
研究開始時の研究の概要 |
ラジカル種を活用する有機合成化学の飛躍的な発展に伴い、多様なラジカル種を簡便かつ効率的に生成する手法の実現はより一層重要な課題となっている。本研究では、基本的なイオン反応である求核付加を起点とする新たな分子活性化機構に基づき、画期的な触媒的ラジカル生成プロセスの構築を目指す。これまでラジカル触媒として利用されてこなかった求電子性化学種の性質に着目し、有機触媒としての機能創出、およびこれを用いた触媒的ラジカル分子変換の開発を行う。これにより、高活性ラジカル種の簡便な生成を可能にし、萌芽期にあるラジカル化学の実践的合成技術としてのレベルを更に引き上げる事を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、入手容易な基質から簡便にラジカル種を発生させる手法の開発を目的として、種々の有機ラジカル触媒の設計・合成および触媒活性の評価を行った。その結果、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)由来のカチオン性第三級アミン触媒が強力な水素原子移動触媒として機能することを見出した。本触媒は極めて容易に設計および合成が可能であり、適切な光酸化還元触媒の共存下、可視光を照射することで、多様な基質の位置選択的なC-H結合アルキル化反応に適用できた。反応機構解析の結果、触媒上の芳香族置換基が一電子移動を仲介し、高活性ラジカル種の効率的な発生を可能にしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本触媒系の鍵活性種であるカチオン性アミニウムラジカルは、化学量論量の酸化試薬を用いて生成できることが知られているが、同様の化学種を触媒的に発生させる手法はこれまで報告されておらず、適用可能な分子変換も限られていた。本研究により、強力な水素引き抜き能を有するカチオン性アミニウムラジカルをより多様な分子変換へ適用可能になると考えられ、炭化水素等の安価な原料から高付加価値化合物を得るための直截的分子変換技術の発展に寄与すると期待される。
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