研究課題/領域番号 |
20K22528
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 研一 京都大学, 工学研究科, 助教 (10879406)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キラル光学特性 / 環状有機分子 / 対称性 / 双極子 / 面不斉 / 不斉伝達 / スルースペース相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
環に沿った斜め方向に双極子モーメントを有するπ共役系を環状に整列させた分子骨格として、本研究では上下の縁に異なる置換基を持ったキラル環状分子ピラーアレーンを用いる。ピラーアレーンの片縁に嵩高い置換基を導入して面不斉の揃った配座を固定化し、残る片縁への修飾反応によって様々なπ共役骨格へと誘導化を行う。新たに合成した一連の分子群に対して、キラルカラムを用いた光学分割とキラル光学特性の詳細な調査、理論計算を行うことで、分子の電子構造とキラル光学応答の関係性についての知見を得る。
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研究成果の概要 |
本研究では上下の縁に異なる置換基を持ったキラル円筒状分子ピラーアレーンの開発とキラル光学特性の評価に取り組んだ。片縁に嵩高いシクロヘキシル基を有するピラーアレーンの残りの縁に種々のアリール基を導入したところ、環上下方向の分極構造が明確になる電子求引性のエステル置換体で光学応答波長の伸長、発光量子収率の増大、キラル応答の程度を示す非対称性因子の減少が起こることが分かった。残りの縁にアルコキシ鎖を介してピレン環を導入した分子群では、キラル円筒構造の上での空間を介したピレン間相互作用に起因した可視領域でのキラル光学特性の発現が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機分子系での優れたキラル光学特性の発現において、環状分子は近年高い注目を集めつつあるが、合成法の制約から上下対称な環状多量体と対称要素に乏しい分子の例が大多数を占めている。本研究のキラルかつ上下非対称な環状分子は欠落部を埋める点で重要であり、系統的な比較により環斜め方向に双極子を整列させた環状分子で分極の増大が非対称性因子の減少を引き起こすことを実験的に明らかにした。ピラーアレーンは強いCD応答にもかかわらずCPL材料への展開で他の分子系に遅れている現状があり、対称な分子修飾に着目することでピラーアレーン分子系の非対称性因子最大値を大きく更新した点も意義深い。
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