研究課題/領域番号 |
20K22529
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安井 孝介 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (10877640)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高配位ケイ素化合物 / カルベン / クロスカップリング |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属触媒による有機ハロゲン化物と有機金属試薬とのクロスカップリングは,現在の有機合成化学に必要不可欠な方法論の一つである。一方,持続可能な社会への貢献を鑑みた場合,希少な遷移金属が必須である点が依然問題であり,天然に豊富に存在する典型元素で触媒を代替することが望ましい。 本研究では,クロスカップリングを可能にする典型元素触媒を開発することを究極の目標に設定し,酸化還元機構に代わる新たな反応機構の提案と,それを実現する典型元素 触媒の合理設計に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では,クロスカップリングを可能にする典型元素触媒を開発することを究極の目標に設定し,酸化還元機構に代わる新たな反応機構の提案と,それを実現する典型元素触媒の合理設計に取り組んだ.様々なケイ素化合物を合成し,その反応性を調査したものの,遷移金属触媒の代替となるようなものは未だ見つかっていない現状である.一方で,配位子の一つ として検討したカルベン配位子が二量化することを見出した.これにより,通常合成の困難な 4 置換オレフィンを一挙に構築可能であることがわかった.これにより,高い電子受容能と蛍光発光を示す新たなπ共役系の創出が可能になった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で合成されたジアザペンタフルバレンはこれまでにも合成例はあるものの,その構造と電子受容性の調査はなされておらず,構造を多様化することが潜在的に困難であった.一方,本研究で確立した合成経路では原料に入手容易な安息香酸を用いることができるため,その構造的多様化により高い電子受容性を実現できると見込まれる.実際,高い電子受容性をもつフルバレンのアルケン部位をイミンで置換した構造をもつため,平面性の高い構造と優れた電子受容性を兼ね備えた基本骨格であるとわかった.このような電子受容性 π 共役系を高密度で集積できれば,既存の有機材料を凌駕する電子輸送性を実現できると期待される.
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