研究課題/領域番号 |
20K22535
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三木江 翼 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (40881280)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機半導体材料 / π共役系ポリマー / 半導体ポリマー / キノイド骨格 / 有機電界効果トランジスタ / 有機エレクトロニクス / 有機半導体 / 主鎖内伝導 / 結合交替 |
研究開始時の研究の概要 |
優れた電荷輸送性を示すπ共役系ポリマーの開発は、有機デバイスの高性能化において重要課題の1つである。従来、π-π相互作用向上により高い「主鎖間伝導」を持つポリマーが多数開発されてきたが、本研究では、ポリマー主鎖の共役長拡張による「主鎖内伝導」の向上に着目した。共役長拡張の有効な手段であるキノイド骨格の導入により、高い主鎖内伝導と主鎖間伝導を両立する「高性能電荷輸送ポリマー」の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでほとんど研究されていなかったポリマー「主鎖内」の電荷輸送性に着目して、π共役系ポリマーの設計・開発を行った。具体的には、オリジナルの非縮環・縮環キノイド骨格を有するポリマーを新たに合成し、それらの電子構造やトランジスタ移動度を評価した。その結果、ポリマー主鎖に沿ってπ電子を高度に非局在化させることで、主鎖内の電荷輸送性が高まり、電荷移動度が著しく向上することを見出した。さらに、開発したπ共役系ポリマーは、アモルファスシリコンを凌駕する高い電荷移動度を示すことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のポリマー主鎖間の電荷輸送性を改善するという開発指針に基づいた研究では、π共役系ポリマーの電荷移動度は頭打ちになりつつあった。本研究成果により、ポリマー主鎖内の電荷輸送性向上が可能となったことで、今後、さらにπ共役系ポリマーの高移動度化が進むことが期待される。高移動度ポリマーの開発により、有機トランジスタのみならず有機薄膜太陽電池や有機熱電変換素子など、様々なプリンテッドデバイスの性能が飛躍的に向上し、IoT社会、低炭素化社会実現に大きく貢献することができる。
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