研究課題/領域番号 |
20K22543
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 大地 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 特別研究員 (10880346)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光化学 / 光起電力 / 電荷分離 / 非線形光学応答 / 強結合状態 / 起電力 / 非線形光学効果 / 光-物質複合状態 / 強結合 / 光-物質間相互作用 / 太陽電池 / エキサイプレックス / 光物質強結合状態 / ポラリトン / 光共振器 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、物質の物性制御法は、多くの場合、分子合成を基本とした分子の化学的修飾であった。本研究では、分子と光が強く相互作用した光物質複合状態を用いた新規物性制御の道を探る。光共振器に閉じ込められた光子が分子の持つ特定の電子遷移や振動遷移と強く結合すると、分子の電子状態やモースポテンシャルが変化した新たな光と物質の複合状態が作り出される。本研究では、光電子物性おいて必要不可欠である電子移動(電荷分離)の強結合状態場での振る舞いを高速過渡分光などを用いて調査する。また、その解明と共に太陽電池、光触媒への応用展開にも試みる。光共振器を用いた自在な光電子物性制御の道の開拓に試みる。
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研究成果の概要 |
光起電力効果は、太陽電池や光センサーなど現代社会に必要不可欠な物性である。光起電力は、主にP-N界面を利用した電荷分離過程から生じる。また近年では、対称性の破れた物質が示すバルク光起電力効果も注目されている。本研究では、光共振器が作り出す光と物質の複合状態が、それら過程にどのような影響を与えるのか評価を行なった。光共振器中にて、P3HT/PCBMの混合薄膜のキャリア寿命をマイクロ波伝導度測定により行なった。しかしながら、共振器中、外において大きな違いは得られなかった。一方で、バルク光機電力効果においては、特性向上に重要な二次の非線形光学効果を、光共振器にて一桁ほど増大できることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、光と物質の強結合を用いた物性制御法が注目されはじめている。強結合状態とは、光共振器中において生じる光と物質の複合状態である。強結合状態の理解は、共振器を用いた自在な物性制御術を生み出すこととなり、サイエンスの発展に貢献する。本研究では、光起電力効果に対する基礎的な知見を得ることができた。特に非線形光学応答の増大は、現在注目されているバルク光起電力効果の高効率化につながると期待できる。
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