研究課題/領域番号 |
20K22557
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小林 文也 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 助教 (90884205)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 機能性金属錯体 / 溶媒蒸気応答性 / 極性集積構造 / 第二次高調波発生 / 発光特性 / 誘電特性 / 溶媒蒸気応答 / 機能性スイッチング |
研究開始時の研究の概要 |
外場刺激による機能制御が可能な金属錯体の開発は、センサーやメモリデバイスなどへの応用から広く注目を集めており、多機能化や高機能化に関する革新的な設計指針の確立が求められている。本研究課題では、溶媒蒸気曝露による配位溶媒の置換反応を駆動力とした分子集積構造の変換を利用して、複数の機能性の可逆的制御が可能となる多機能性スイッチングシステムの創製を目指す。特に、強誘電特性を示す極性集積構造の可逆的な変換が可能である単核錯体を基盤とし、中心金属イオンに由来する機能物性を組み合わせることで、その分子集積構造と機能物性、および外場刺激応答性についての系統的な評価、解釈を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、溶媒蒸気曝露による配位溶媒の置換反応を駆動力とした分子集積構造の変換が可能な単核アルミニウム(III)錯体を合成し、溶媒蒸気による多機能性スイッチングシステムの創製へと展開した。本研究にて得られた単核アルミニウム(III)錯体[Al(sap)(acac)(sol)]は、溶媒蒸気曝露による可逆的な極性分子配列変換が可能であり、これに伴った誘電特性および第二次高調波発生(SHG)挙動の制御が可能であった。また、圧電応答力顕微鏡(PFM)を用いて、溶媒蒸気による強誘電体ドメイン形成を観測した。さらに、固体状態で高効率な緑色発光を示し、発光特性と極性変換、誘電特性制御の多機能化を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外場刺激による機能性制御は、錯体化学領域における重要な課題である金属錯体の多機能化と高機能化の観点から注目されている一方で、強誘電特性などの興味深い物性やその応用法が見出されている極性分子に関しては、未だ物質探索のみに留まっており、広く適用可能な設計指針の確立が渇望されていた。本研究では、溶媒蒸気による配位溶媒の置換反応を利用することによって、極性集積構造変換および誘電特性制御が可能な発光性単核アルミニウム(III)錯体の開発に初めて成功した。本研究における「溶媒配位サイトを組み込んだ単核金属錯体の利用」は極めてシンプルな分子設計であることから、今後の幅広い化合物への適用も期待される。
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