研究課題/領域番号 |
20K22559
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邉 友浩 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (80731968)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 硫黄酸化菌 / ヘテロジスルフィド還元酵素 / 電子分岐反応 / リポ酸 / 電子バイフリケーション / フラビン / 硫黄酸化 / 遺伝子資源 |
研究開始時の研究の概要 |
環境微生物の未知遺伝子には、実社会への応用が見込まれる潜在的に有用な遺伝子資源が存在する。その1つとして、電子バイフリケーション反応に関わる未知遺伝子が挙げられる。この反応は、電子対の一方の電子を高エネルギー状態する反応であり、その原理は物質生産プロセスの省エネルギー化に応用できると考えられる。本研究では、電子バイフリケーションを触媒すると考えられる全く新しい酵素複合体の触媒反応を検証し、電子バイフリケーション反応の応用研究に新しい展開を生み出す。
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研究成果の概要 |
ヘテロジスルフィド還元酵素が触媒する電子分岐反応は、電子対の一方の電子を高エネルギー状態にする。これは、持続可能な社会の技術基盤として応用できる可能性が指摘されている。本研究では、硫黄酸化菌が合成する機能未知のヘテロジスルフィド還元酵素(sHdr)を研究した。遺伝子発現解析の結果、sHdrは硫黄化合物からのエネルギー合成に関与することが示唆された。sHdrを合成する硫黄酸化菌を大量培養することに成功した。細胞粗酵素液を各種クロマトグラフィーで分画した。紫外可視吸収スペクトル、SDS-PAGE、Native-PAGEによってsHdrの精製条件を検討し、得られた画分の質量分析を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子分岐反応は、物質生産プロセスの効率化などの技術基盤に応用することが期待されている。本研究では、電子分岐反応を触媒するヘテロジスルフィド還元酵素(Hdr)の多様性に着目した。硫黄酸化菌が合成するHdr(sHdr)は、独自の配列特徴を持っており、その機能が未知であった。本研究では、sHdrの機能解明に向けた技術基盤として硫黄酸化菌の大量培養、sHdrの分画、質量分析、酵素活性測定の一連の実験系を確立することに成功した。今後の研究の継続により、sHdrの機能を解明することで、電子分岐反応を応用する研究に新しい展開をもたらすことが期待される。
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