研究課題/領域番号 |
20K22562
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩渕 望 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (00888753)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ファイトプラズマ / 葉化 / ファイロジェン / エフェクター |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原細菌ファイトプラズマのもつ病原性因子「ファイロジェン」は花形成に重要なMADS-box転写因子(MTF)の機能を阻害することで葉化を引き起こすが、申請者はこれまでの研究で新たに葉化を誘導しないファイロジェンの一群を発見した。このような「非葉化型」のファイロジェンは、MTFとの結合に重要な立体構造を保持しながらも標的特異性が変化しており、新規機能を獲得していることが示唆された。本研究では、「非葉化型」ファイロジェンに着目し、葉化とは独立したファイロジェンの新規機能とその分子機構を解析することで、ファイロジェンを用いた新規感染戦略を明らかにすると共に、病原体進化に関する統合的理解を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ファイトプラズマのもつ花の葉化誘導ペプチド「ファイロジェン」の新規機能の解明を目的とした。まず葉化以外の植物体への影響を解析するため、「非葉化型」および「葉化型」ファイロジェンの形質転換体を作出するとともに、ウイルスベクターによる簡便かつ効率的なタンパク質発現系を構築した。また、ファイロジェン遺伝子の多様性を明らかにするため、ファイトプラズマの効率的なゲノム解析法を構築した。さらに、ファイロジェンの新たな分子機能を解明するため、「非葉化型」ファイロジェンと相互作用する新規宿主因子を同定し、ファイロジェンによる宿主因子の分解機構を詳細に解析した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作出したファイロジェン遺伝子の形質転換体およびウイルスベクターを用いた植物体への簡便かつ迅速なタンパク質発現系を目的に応じて使い分けていくことで、ファイロジェンによる植物体への様々な影響を詳細に解析可能であることが期待される。また、構築したファイトプラズマゲノムの効率的な解読法を用いることで、ファイロジェン遺伝子の多様性および機能分化への理解が進むことが期待される。さらに、ファイロジェンと相互作用する新規宿主因子や既存の宿主因子の分解機構を詳細に解明したことから、本研究はファイロジェンの新規機能の解明に向けた基盤的知見となると考えられる。
|