研究課題/領域番号 |
20K22563
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
棟方 涼介 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (40790275)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プレニル化フェノール類 / プレニル化酵素 / 位置特異性 / 触媒機構 / 3Dモデリング / 植物二次(特化)代謝 / プレニル化フェノール / フラノクマリン |
研究開始時の研究の概要 |
植物が生産するプレニル化フェノール類は、植物の化学防御に貢献する他、人の健康に有用な様々な生理活性も示すなど、多機能な代謝物群である。植物プレニル化フェノール類の機能発現にはプレニル化酵素(PT)の反応特異性が鍵となる。中でも、植物PTはプレニル化位置に対する特異性が高いが、いかにして高い位置特異性が発揮されているのかは不明であった。
本研究では、人為的変異導入や3Dモデリングにより、植物PTのプレニル化位置特異性を担う触媒機構の解明を目指す。本研究成果は化学防御を介した植物の生存戦略の理解を深めるだけでなく、有用物質生産に向けた植物PTの理論的再設計などの応用研究を加速させると期待される。
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研究成果の概要 |
植物が生産するプレニル化フェノール類は約1000種類に及び、人の健康維持・向上に貢献する生理活性を示すなど非常に有益な化合物群である。これらの機能発現にはプレニル側鎖が重要であり、この側鎖はプレニル化酵素(PT)によってフェノール母核に転移される。この時、個々の植物PTはフェノール基質の決まった位置にプレニル側鎖を転移させるという高い位置特異性を示し、この特異性が効率的物質生産の鍵となる。本研究では、植物PTの位置特異性を担う触媒機構の解明を目指した。2年の研究期間で、変異酵素の生化学的解析や3Dモデリングなどを行い、PTの位置特異性を担うアミノ酸残基の発見と制御機構解明に迫ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プレニル化フェノール類は植物において病害虫に対する化学防御に寄与する他、抗ガン活性や抗肥満活性といった人の健康維持・向上に貢献する薬理活性を示すなど、植物科学のみならず薬学・食品科学など幅広い分野で着目される化合物群である。本研究は、プレニル化フェノール類の生合成の鍵となるプレニル化酵素の触媒機構解明を目指すものである。そのため、ここで得られた成果は植物の生存戦略の理解の深化に繋がり、また有益な生理活性を有するプレニル化フェノール類の大量生産といった応用研究の基礎となると考えられる。
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