研究課題/領域番号 |
20K22567
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
赤澤 隆志 宮城大学, 食産業学群, 助教 (00882276)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 鶏卵白 / ペプチド / 抗肥満 / 抗糖尿病 / 鶏卵白タンパク質 / 卵白ペプチド / 糖脂質代謝 / 卵白タンパク質 / 卵白タンパク質ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
鶏卵の生体調節機能に関する研究が国内外で活発に行われ、卵白を摂取することで、脂肪の蓄積を抑制することや、脂肪蓄積により惹起される2型糖尿病を改善することが明らかになりつつある。この抗肥満と抗糖尿病作用には、卵白タンパク質が消化管で加水分解されて生成したペプチドが関与している。しかし、卵白消化物の活性本体である活性ペプチドは未だ特定されていない。本研究では、卵白消化物からのペプチドの大量分画・精製法を確立し、各ペプチド画分の抗肥満と抗糖尿病作用を評価することで、卵白由来の活性ペプチドを特定することを目的とする。
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研究成果の概要 |
鶏卵白のペプシン消化物(EWP)は脂肪蓄積抑制作用及び耐糖能改善作用を有することが報告されているが,活性成分は特定されていない。本研究では,EWPをペプチド画分とタンパク質画分の2つに別け,各画分の糖及び脂質代謝改善作用を食餌誘発性肥満モデルマウスを用いて検討した。ペプチド画分の給餌によって,精巣周囲脂肪重量,肝臓中のコレステロール含量及び血中グルコース濃度が低下した。一方でタンパク質画分は脂肪蓄積を抑制しなかったが,経口糖負荷試験によって耐糖能を改善することが示された。EWPによる脂肪蓄積抑制作用と耐糖能改善作用には、それぞれペプチド画分とタンパク質画分が関与していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EWPの脂肪蓄積抑制作用に中心的に関与している成分は卵白タンパク質オボアルブミンであると考えられており,オボアルブミンが消化管において胆汁酸によるミセル形成を阻害し,脂質の吸収を阻害することで脂肪蓄積を抑制していると考えられている。一方,本研究ではタンパク質画分ではなく,低分子ペプチド画分から脂肪蓄積の抑制作用が認められた。また,ペプチド画分は食餌脂質の吸収を阻害しなかった。よって,オボアルブミンとは異なる作用メカニズムで抗肥満作用を示す卵白活性ペプチドの存在を明らかにすることができた。EWPのペプチド画分は,肥満や脂質代謝を改善する機能性食品素材となることが期待できる。
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