研究課題
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持続可能な社会の実現のため、現在化石資源から生産されている化合物を再生可能な資源で生産する技術(バイオプロダクション)の発展は急務である。現在バイオプロダクションでは主に植物が原料に用いられているが、原料処理が高コストかつ煩雑である等の様々な課題がある。本研究では「代謝のユニット化」という新たな技術を用いて、非植物資源である化合物を原料とした高付加価値化合物(マロン酸)の生産を目指す。
本研究では、独自の代謝改変技術であるPMPE(Parallel Metabolic Pathway Engineering)を用いて、高収率で目的化合物を生産する微生物の開発を試みた。まず大腸菌を宿主に用い、目的化合物であるβ-アラニンを高収率で生産するPMPE代謝改変株を作成した。作成した株を培養することでグルコースからβ-アラニンを理論収率の81%で生産することに成功し、現時点での世界最高値を達成した。また、PMPEの戦略をメチロトローフであるMethylorubrum extorquensに応用し、物質生産におけるプラットフォームとなる代謝改変株の構築を行った。
本研究では独自の代謝改変技術であるPMPEを用いて、大腸菌およびメタノール資化性細菌を宿主とした、高付加価値化合物生産技術の開発を行った。持続可能な社会の実現のため、バイオベースでの物質生産技術の発展は急務である。一方で発酵生産においては物質生産と細胞増殖によるトレードオフの関係が収率低下の主因となっている。PMPEは代謝を分断することでこのトレードオフを解消するアプローチであり、その技術発展は社会的意義が大きい。また、宿主微生物の主要な代謝経路を破壊した上で、複数炭素源を用いること増殖能を維持する本研究は、細胞増殖・維持メカニズムの理解を深める学術的意義の高い研究であると言える。
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Enzyme and Microbial Technology
巻: 164 ページ: 110193-110193
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Metabolic Engineering
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Bioresource Technology
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120007026334