研究課題/領域番号 |
20K22581
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
住田 卓也 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (90881136)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 植物病原菌 / ユビキチン・プロテアソーム系 / 付着器 / ユビキチンシャトルタンパク質 / 宿主侵入 / タンパク質分解 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原菌による宿主への侵入は感染の成否を左右する重要なプロセスである。申請者はこれまでに、「付着器」とよばれる感染器官を形成して宿主に侵入する2種の重要病原菌(ウリ類炭疽病菌、灰色かび病菌)において、侵入過程に自己タンパク質の選択的な分解機構「ユビキチン・プロテアソーム系」が関与することを明らかにしてきた。本研究では付着器による侵入に関連して分解を受ける「侵入のキー因子」となるタンパク質の同定を行い、選択的タンパク質分解を介した宿主侵入の制御メカニズムの解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
先行研究で、複数の植物病原菌のユビキチン受容体遺伝子が感染器官の付着器による宿主への侵入と病原性発現に重要であることを見出してきた。本研究では、ウリ類炭疽病菌のユビキチン化タンパク質の運搬に関わるシャトルタンパク質遺伝子の機能解析を行い、宿主侵入および病原性への関与を新たに明らかにした。さらに、シャトルタンパク質間に病原性に関わる役割分担が存在することが示唆された。また、同菌において病原性の低下を示すユビキチン受容体遺伝子の破壊株から生じた病原性復帰変異株のゲノム解析を行い、変異株特有の多型サイトを特定した。変異遺伝子の同定に向け、さらなる解析を進めている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ウリ類炭疽病菌においてユビキチンシャトルタンパク質遺伝子が付着器による宿主への侵入および病原性発現に関与することを新たに明らかにした。この知見は、タンパク質の選択的分解による病原性発現制御メカニズムの解明に向けた有用な手がかりとなると考えられる。このような新たな制御メカニズムの解明により、病害防除法や殺菌剤の開発に寄与することが期待できる。また付着器による侵入機構は植物共生菌を含む幅広い分類群の菌類に存在することから、広く菌類と植物の寄生・共生関係の理解の進展につながると考えられる。
|