研究課題/領域番号 |
20K22587
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 (2022) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
加用 大地 東北大学, 生命科学研究科, 特任研究員 (40880373)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 魚類生殖生理 / 体成長の性差 / エストロゲン合成酵素 / 脂質代謝 / メダカ / 精巣移植 / 体長の性差 / 摂食関連遺伝子 / アロマターゼ / 摂食制御 |
研究開始時の研究の概要 |
水産増養殖の分野において、魚の体長・体重・脂ののりを制御することは、商品価値の向上に極めて重要な技術である。本研究では、魚類において広く観察される「体長の雌雄差」という視点を切り口として、モデル魚であるメダカを研究の対象とし、生理学、遺伝子工学、生化学を組み合わせた手法を用いて、これを生み出す新規の生理機構を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
養殖魚の体長や体重、脂の乗りは商品価値に直結する極めて重要な形質である。本研究では、多くの魚種に体サイズの性差が観察されることを切り口として、これらの形質を制御する生理機構を明らかにすることを目標とした。メス優位の体成長パターンが消失するcyp19a1b遺伝子ノックアウトメダカをモデルとして、表現型の詳細とそれが引き起こされるメカニズムについて生理学的解析を行った。加えて、これらの解析の条件検討の過程で偶然にもメダカ精巣片を部分的に去勢した他個体オスの腹腔に埋め込むだけで移植精巣由来の仔が自然交配によって得られることを発見した。この発見は、簡易的な代理父親作製技術の確立に有用な可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、体サイズが通常より大きくなりかつ脂の乗りが優れた個体の生理状態、肝臓及び筋肉におけるメタボロームや代謝関連遺伝子の動態が網羅的に明らかになった。加えて、エストロゲンによる脂質合成の抑制作用を抑えることが上述の優れた形質をもつ養殖魚を作製する上で重要である可能性が示唆された。また、本研究により開発された簡易的な代理父親作製技術は、他個体の精巣を受け入れる免疫寛容の分子メカニズムを解明する糸口となり得る。これは優れた形質をもつ系統の選抜育種へ応用可能性を示唆するものである。
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