研究課題/領域番号 |
20K22589
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西尾 晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究機関研究員 (30880108)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 樹木 / 宇宙線 / 空洞 / 原子核乾板 / 宇宙線イメージング / ミュオグラフィ / 非破壊検査 / 樹木診断 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国にはおよそ1万3千本の、幹回り500 cm以上の樹木が存在する。これらの巨樹は、腐朽により内部の空洞化が進行していることが懸念される。しかし、既存の樹木診断法には、直径1.5m以上の樹木の内部状況を非破壊に診断する手法が存在しなかった。申請者はこれまでに、物質貫通能力の高い宇宙線を用いて、エジプトのピラミッドや原子炉などの巨大構造物を非破壊で検査する技術の開発を行ってきた。申請者はこの手法を樹木の内部構造診断に適用することを提案する。本研究では、宇宙線による非破壊検査技術を初めて樹木に適用することで、特に巨樹の診断手法として、この技術の有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
巨大な木の内部を調査するために宇宙線の使用を提案した。宇宙線は樹木の内部を容易に透過するため、従来の方法では調査が困難であった直径1.5m以上の樹木の調査に適用できる。この方法の実現可能性を実証するために、2つの実験を実施しました。最初の実験では、直径1.2mの木板に0.5mの空洞がある場合とない場合の宇宙線フラックスの違いを検出しました。 2回目の実験では、内部状態が不明な円周11mの杉の木を測定し、シミュレーションと比較しました。その結果、直径1.0mを超える空洞は存在しないと予測されました。その後、保全のために杉の木は伐採され、確かに直径1.0m以上の空洞がないことが確認されました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では宇宙線を用いて巨樹の内部を調べることを提案し実証した。従来手法では調査が難しかった直径1.5m以上の樹木の内部を、宇宙線であれば容易に透過し調査することが可能である。本研究によって巨木に対する宇宙線を用いた空洞調査手法の有用性が確認された。今後、立木に対してもこの手法を適用し、巨木の保全に活用されることが期待される。
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