研究課題/領域番号 |
20K22590
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 亮介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (10881443)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ケイ素集積 / 熱帯地域 / 熱帯山地林 / 土壌 / 植物ケイ酸体 / 熱帯樹木 / 物質循環 / シリカ / 熱帯林 / 土壌風化 / 樹木 / 落葉 / 土壌鉱物 / 山地林 / 生物多様性 / 新熱帯 / ケイ素 / 標高 |
研究開始時の研究の概要 |
ケイ素は多くの陸上植物にとって有益元素であり、病害虫に対する防御や有害金属元素の毒 性緩和に貢献する。熱帯林土壌は強い風化作用でケイ素供給源であるアルミノケイ酸塩鉱物 を多く失っているが、樹木の葉におけるケイ素集積は種に応じて様々である。植物が落葉を 介してケイ素を循環させることは、熱帯林樹木の持続的なケイ素利用とケイ素を生存戦略に 使う植物を含めた多種共存の実現に貢献している可能性がある。この解明の第一歩として、 本研究は、全世界熱帯地域(以降、汎熱帯と呼ぶ)の森林において、樹木のケイ素集積多様 性とその落葉を介したケイ素循環速度との関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究プロジェクトは、東南アジアと中米の熱帯林のケイ素循環機構を比較分析することで、より一般性の高いパターンとして、低標高の森林における活発なケイ素循環がみられるかどうかを検証した。具体的には、標高と母岩、さらにそれらの要因とともに変化する種組成の影響を考慮し検証をおこなった。東南アジアの熱帯林では、低標高において活発なケイ素循環が認められた一方、中米の熱帯林では、中程度の標高においても低標高と同程度のケイ素循環が認められた。これらの結果は、東南アジアと中米で異なる種組成の影響を反映していると考えられ、さらに環境要因によって変化する種組成がケイ素循環を駆動していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中米熱帯山地林におけるケイ素集積多様性を明らかにした本研究成果は、東南アジアの山地林とケイ素循環に関わる比較可能なデータを初めて提供するものである。森林を含めた陸上のケイ素動態は、陸上でケイ素を利用する生物のみならず、水域の生物(ケイ藻など)の個体群動態とも密接に関係する可能性がある。今回の熱帯山地林における森林ケイ素循環の報告は、この成果を元により大きな空間スケール(流域等)においての熱帯のケイ素動態の制御機構の解明に貢献していくと考える。また、山地林よりもさらに低標高の熱帯低地林においては、さらに活発なケイ素循環を示すデータも得られており、今後低地林でのケイ素動態解明にもつながるだろう。
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