研究課題/領域番号 |
20K22592
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
畠山 真由美 九州大学, 農学研究院, 助教 (20871437)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セルロース / セルロースナノファイバー / 細胞培養基材 / 幹細胞 / ナノセルロース / 細胞培養 / 細胞外マトリックス / バイオマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、林産系ナノ素材として注目されている樹木由来のナノセルロースを用いて新規な幹細胞の培養基材を創発する。近年、幹細胞を用いる再生医療が実用化されつつあるが、幹細胞の未分化・分化を制御しつつ、治療に必要な細胞数まで安定して増殖させる培養手法の開発が喫緊の課題となっている。そこで、化学修飾したナノセルロースの繊維形状 (物理的特性) と多糖の化学構造 (化学的特性) が、生体内で細胞を取り囲んでいる細胞外マトリックスの特徴を備える点に着目し、ナノセルロースで物理と化学の両面から幹細胞ニッチと呼ばれる幹細胞が存在する特殊な環境の模倣を試みる。
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研究成果の概要 |
樹木由来セルロースナノファイバー(CNF)の結晶表面にカルボキシ基を導入することで、生体内で細胞を取り囲んでいる細胞外マトリックスの模倣を目指し、間葉系幹細胞(MSC)の培養を行った。その結果、MSCの増殖に優れた細胞培養基材の創出に成功した。MSCの無血清培養に必要な増殖因子の基材への固定化を目指し、セルロース分解酵素のセルロース結合モジュール(CBM)が表面修飾したCNFに結合可能であるか評価するため緑色蛍光タンパク質(GFP)を付加したCBM融合GFPを作製し、表面カルボキシ化CNFへの結合を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
組織工学分野において、細胞培養基材の研究に大きな注目が集まっており、非動物性材料を用いた基材開発の機運が高まっている。本研究では、天然に豊富に存在する樹木由来の多糖であるセルロースナノファイバー(CNF)の固体ナノ形状と表面カルボキシ化による糖鎖界面構造に着目し、CNFの新たな細胞培養基材としての可能性を見出した。さらに、無血清培養を可能とするための増殖因子を安定的に固定化するためのセルロース結合モジュールの有効性の確認にも成功した。今後、増殖因子の固定化と組み合わせることで、細胞培養研究で希求されている無血清培養に適した基材としての利用に期待が持たれる。
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