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センの潜在能力アプローチを用いた「良き食生活」の理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K22598
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
研究機関立命館大学

研究代表者

上田 遥  立命館大学, BKC社系研究機構, 研究員 (20885313)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2021-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2020年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード善き食生活 / ウェルビーイング / 潜在能力アプローチ / 健康的な食 / 食育 / 食生活 / QOL / 和食
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、日本市民にとっての「善き食生活」の中身を理論的かつ実証的に明らかにすることである。分析枠組みとして用いるアマルティア・センの「潜在能力アプローチ」に従えば、本研究の課題は、人々の食に関するwell-beingを構成するさまざまな活動・状態 (食-機能集合)を解明することと再規定できる。四段階の分析(文献レビュー、インタビュー調査、webアンケート調査、公共的対話)を実施し、日本市民が価値をおく食-機能集合を明らかにすることで、私たちの食生活の実態にもっと寄り添う公共政策(食育など)を立案するための知見を創出する。

研究実績の概要

本研究では、日本市民にとっての「善き食生活」を明らかにするため以下の研究課題に取り組んだ。第一に、そもそも現在「善き食生活」がどう論じられているかを把握するため、i) 1970年以降から現在までの食生活の理想形に関する議論(日本型食生活、和食など)、ii) 全国レベルで利用可能な食生活評価指標、iii) 国内外の「健康的な食 healthy eating」概念に関する文献を渉猟・整理した。重要な知見として、従来の議論が「何を食べるか(特に食品・栄養素)」に焦点化しており、食生活の社会文化的側面(いつ、どこで、誰と、どう食べるかなど)が十分に着目されていないことが明らかにされた。第二に、新型コロナの影響で当初計画していた市民へのインタビュー調査が実行不可となったため、WEBアンケート調査(20歳以上男女973名)に切替え実行した。いまだ分析の途上ではあるが、現在のところ以下の知見が明らかにされている。i) 「善き食生活」は7つの意味内容(目的としての「健康」「楽しみ」および達成戦略としての「規則性」「要素摂取」「節制」「バランス」「品質」)からなること。ii) 「孤食」「欠食」など従来問題視されていた食行動がむしろ「善き食生活」として一定数の回答者に認識されていること。ただしこれには経済学でいう「適応(自らの困窮状況を過小評価してしまう心理的傾向)」の可能性があること。今後の展開としては、本調査で同時に集計した「実際の食生活」の状態や回答者の社会的属性データとも関連させて分析することで、日本市民における食生活の理想と実態をさらに探求したい。なお、同研究の着想に至る「食育研究」の成果を単著1冊(『食育の理論と教授法ー善き食べ手の探求』)にまとめ、「善き食生活」の理論的基礎を構築する成果を収録した論文(2021)を国際学会誌Food Ethicsに公表した。

報告書

(1件)
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Establishing a Theoretical Foundation for Food Education in Schools Using Sen’s Capability Approach2021

    • 著者名/発表者名
      Haruka Ueda
    • 雑誌名

      Food Ethics

      巻: 6 号: 2 ページ: 1-18

    • DOI

      10.1007/s41055-021-00086-9

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] フランス市民におけるガストロノミ概念の実証分析―「善き食生活」とは何かー」2021

    • 著者名/発表者名
      上田遥
    • 学会等名
      日本農業経済学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 食育の理論と教授法―善き食べ手の探求―2021

    • 著者名/発表者名
      上田遥
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812220252
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-09-29   更新日: 2021-12-27  

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