研究課題/領域番号 |
20K22605
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
木村 建介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 研究員 (10885502)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 最低気温 / 累積流量 / 局所気象 / モデル / 放射冷却 / 最高気温 / 微気象 / 熱輸送 / 熱移流 / 冷気流 / 最高・最低気温 / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
数m~数km四方単位のメッシュデータ群(気象,地形,地表面反射率等)を利用して,農地における局所的な最高気温および最低気温を精度良く評価可能なモデル(累積熱輸送モデル)を新たに構築する.次に,構築したモデルの最適化および妥当性検証のために,平地および中山間地の農地群において気温の多点計測を行う.本モデルは,作物の高温・低温障害の予測だけでなく,作目や作期の決定といった栽培管理にも応用可能と考えられる.
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研究成果の概要 |
複雑地形の農地においては,夜間の放射冷却に伴う冷気流の影響で最低気温が数mから数十mの空間スケールで大きく異なる.そのため,気象観測点やメッシュ気象データから得られた最低気温と実際の最低気温に誤差が生じる可能性がある.本研究では,農地における局所的な低温を評価可能なモデル(累積熱輸送モデル)を構築し,任意の場所と時間で農地の低温を評価可能にした.このモデルは,丘陵地の農地の最低気温の分布を精度良く再現可能であり,実測した最低気温とモデル推定値の平均残差は-0.2℃であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年広く普及しているメッシュ気象データは,気象観測点の実測値を統計的に空間補間しているため,どの地域においてもある程度の精度が保証され,非常に実用的である.しかし,統計的手法のみでは,農地の詳細な熱輸送プロセスを反映できないため,熱移流や冷気流の影響は考慮できない.本研究の学術的独自性は,これまで蓄積されてきた熱輸送プロセスの知見を考慮しつつ,回帰などの統計的手法も組み込んだ,合理的かつ実用的なモデルを構築した点にある.また,本モデルは,作物の高温・低温障害の予測だけでなく,作目や作期の決定といった栽培管理にも応用可能という点で社会的意義も有している.
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