研究課題/領域番号 |
20K22606
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
西田 菜美子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (60885028)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 冷凍野菜 / ペクチン / 氷結晶 / 低温加熱 / 冷凍耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
野菜類は凍結・解凍後の組織軟化が著しく、現在の技術ではその改善が困難である。同じ品目でも品種によって組織軟化の程度に差があることが知られているが、その発生機序は十分に明らかにされていない。本研究では、まず異なる野菜品種・育成段階の冷凍耐性の評価を行う。特に細胞壁を構成するペクチンの特性に着目し、氷結晶の生成挙動、力学特性との関係を明らかにする。また、低温加熱処理によりペクチン構造を改変することで冷凍後の組織軟化の軽減を試みる。本研究を通じて得られる知見は、新たな冷凍技術を開発する上で必要な品質評価指標として利用可能であるとともに、冷凍加工用の品種選定・育成への利用につながると考えている。
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研究成果の概要 |
食品の中でも野菜類は凍結・解凍後の組織軟化が著しく、現在の技術ではその改善が困難である。一方で、同じ野菜品目でも品種などによって冷凍後の品質に差があるが、その差を生み出すメカニズムは明らかになっていない。本研究では、組織の強度維持に関わるペクチンに着目し、品目・品種による差異と冷凍適性との関係を明らかにすることを目的とした。さらに、低温加熱処理によるペクチン構造の改変が、凍結後の氷結晶形態および力学特性に及ぼす影響を調べた。その結果、ペクチン構造の差異は氷結晶の形成のされ方に違いを及ぼさないが、凍結解凍後の力学特性には影響することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、品種ごとにペクチン構造は異なり、組織強度にも違いがあることが推察されたが、氷結晶の形態に大きな違いは見られなかった。さらに、人為的なペクチン構造の改変は、凍結時の氷結晶の形態に大きく影響せず、凍結による損傷は避けられないと考えられる。しかし、凍結前後のペクチン組成には凍結解凍後の力学特性と相関があった。つまり、凍結前に強固な組織構造を持つことが、凍結解凍後の組織強度を高く維持するために必要であり、そのような品種が冷凍加工用品種として適切であると考えられる。これらの知見は冷凍加工用の品種選定・育成において有用である。
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