研究課題/領域番号 |
20K22615
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 峻 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40885670)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒトTS細胞 / Hippo-YAPシグナル / ヒトTS細胞 / ES細胞 / TS細胞 / 胚体外系譜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、当研究室樹立のヒトTS細胞とES細胞からTS細胞に分化転換したモデル細胞(ES-TS細胞)を用い、ヒト特異的なHippo-YAPシグナルの細胞系譜決定における役割について検討する。これらの成果より、マウスの胚体外細胞系譜決定機構との相違点を明らかにし、胎盤発生におけるヒト特異性と保存性について検討する。
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研究成果の概要 |
胚体外細胞系譜の運命決定や維持へのHippo-YAPシグナルの役割を検討した。YAPは、ヒトナイーブ型ES細胞では核および細胞質に、ヒトTS細胞では主に核に局在した。次に、ES-TS細胞分化転換過程におけるYAPの局在を解析したところ、栄養膜系譜のマーカーであるGATA3陽性細胞において、YAPの核移行が顕著であった。さらに、YAP-TEAD阻害剤verteporfinの濃度依存的に、ヒトTS細胞の細胞増殖が抑制された。以上により、ヒトES細胞から胚体外系譜への分化やTS細胞の維持にYAPの関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト受精卵から内部細胞塊(ICM)と栄養外胚葉(TE)に細胞系譜は分離し、胚盤胞が形成される。マウスの場合、ICMとTEの運命決定にHippo-YAPシグナルが関与することが知られる。しかしヒトの場合、Hippo-YAPシグナルの関与を含め、ICMとTEの運命決定機構の詳細は明らかでない部分が多い。本研究では、ヒト胚性幹(ES)細胞や栄養膜幹(TS)細胞等を活用し、運命決定機構や栄養膜系譜維持へのHippo-YAPシグナルの関与を示した。本研究成果は、ヒト初期発生機構の分子機序の理解の一助となり得ると期待する。
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