研究課題/領域番号 |
20K22627
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
別所 学 (別所ー上原学) 名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (80880434)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Bioluminescence / Kleptoprotein / Luciferase / Protein uptake / Parapriacanthus / Cypridina / Vargula / Molecular biology / 盗タンパク質 / 生物発光 / キンメモドキ / ウミホタル / ルシフェラーゼ / タンパク質発現 |
研究開始時の研究の概要 |
ユニークな形質を持つ生物は、それらが独自の遺伝子をゲノム中に進化させてきたと考えられてきた。ところが、発光魚キンメモドキは、発光に必要な酵素遺伝子をゲノム中に持たず、餌であるウミホタルからルシフェラーゼタンパク質を獲得していることが、申請者の研究により明らかとなった。餌由来のタンパク質を利用する「盗タンパク質」現象は、申請者により初めて発見されたものであり、その取り込みの分子・細胞生物学的・生理学的メカニズム及び進化的起源は未知である。本研究では、キンメモドキにおいて餌由来タンパク質を消化せずに細胞内に取込む仕組みの解明と本現象がみられる新たな生物種の発見を目指す。
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研究成果の概要 |
キンメモドキのルシフェラーゼタンパク質取り込み機構解明のために、ルシフェラーゼと相互作用し取り込みに寄与する分子実体の解明を目指す。期間中に、リコンビナントルシフェラーゼの作成と投与実験の検討を行い、取り込みには数日以上の長期間が必要であることを明らかにした。 新型コロナウィルス感染症の流行のため、研究が断続的に中断されてしまい飼育実験を精力的に行うことが不可能であった。さらに、本研究費も申請額の直接経費3000千円に対して、説明もなく2200千円の減額交付であったため、研究に必須の発光測定器の購入が困難となり、さらなる外部資金獲得が必要となり、研究の進展が非常に遅延した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々動物は植物など他の多細胞生物に比較して消化管を持つことで区別される。動物のドグマともいうべき消化システムは、摂食されたタンパク質を分解し、生育に不可欠のアミノ酸の獲得において全ての動物で保存された仕組みである。しかし、キンメモドキは、トガリウミホタルを捕食することにより、ルシフェラーゼタンパク質を消化分解せずに発光細胞に取り込む。この驚くべき例外がどのように実現されているかを理解するために、本研究では、餌由来タンパク質の取込みに関わる分子メカニズムはどのようなものなのか、という問いに答えようとするものである。
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