研究課題/領域番号 |
20K22629
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 将裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 研究員 (00879869)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分子動力学シミュレーション / 金属タンパク質 / 銅タンパク質 / 小角散乱法 / 小角散乱 / アンサンブルモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質のナノスケール分子運動はその機能に深く関わっている。本研究では銅輸送タンパク質Copper Chaperone for Superoxide dismutase (CCS) をモデルに、タンパク質の機能的ナノスケール運動の実態とその物理的起源を解明する。CCSは細胞膜のトランスポーターから銅(I)イオンを受け取り、それを酵素の銅結合部位に渡すが、その基盤となる分子運動は未解明である。そこで小角散乱法と分子動力学法を組み合わせた新規解析法を創出し、銅輸送を担うCCSの分子運動を同定する。
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研究成果の概要 |
細胞内で酵素への銅イオン輸送を担うタンパク質CCSの分子運動と機能の関係を、理論計算及びX線小角散乱測定(試料にX線を照射しその散乱を計測する手法)の複合的アプローチによって研究した。CCSは複数の構造ドメインから成るが、銅イオン結合ドメインが銅イオンを獲得・保持するためには、銅イオンを結合しないドメインを含むドメイン間相互作用が重要であるとの結果を得た。本結果を得るために、理論計算・小角散乱データを統合する解析技術確立にも取り組んだ。報告者は理論計算によるマイクロ秒以上の分子運動がX線小角散乱測定に整合した場合に、それを現実の分子運動に近似するアイデアを考案し、その実現可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案した溶液散乱測定と理論計算による分子運動解析のアイデアは、今まで困難であった「X線結晶構造等の原子解像度データと、低解像度ながらも分子運動情報を含む小角散乱データを統合した生体分子ダイナミクス理解」への新規な道筋を与えている。加えて、この解析は他の実験データにも応用可能であり、様々な生体高分子実験データを統合し生体分子への理解を深めるための普遍的技術たりうることから、広く関連学術分野への波及効果が期待される。
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