研究課題/領域番号 |
20K22638
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
島田 龍輝 熊本大学, 発生医学研究所, 特定事業研究員 (10882798)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生殖細胞 / 減数分裂 / 細胞周期 / マウス / STRA8 / Rb / pre-meiotic S phase / RB / 卵細胞の休眠 / 生殖能 / scRNA-seq / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
体細胞分裂から減数分裂への切り替えは、転写因子であるSTRA8によって制御され雌雄に共通であると考えられてきた。 我々のこれまでの研究からSTRA8が体細胞分裂を停止させる機能を持つ転写抑制因子であるRB1と結合することがわかった。さらに、STRA8のRB1との結合部位を変異させたマウスは、メスのみが不妊となることがわかった。この結果はSTRA8による減数分裂の制御機構には雌雄差があることを示唆する。 本研究では、STRA8ΔRB1メスマウスの解析からSTRA8とRB1による転写制御のメス減数分裂における意義を明らかにすることで、メス特異的な減数分裂の分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
減数分裂は常に細胞周期のS期から始まるが、なぜ減数分裂の開始とS期が同調できるのかその分子機構は全く解析が進んでいなかった。申請者達は減数分裂誘導因子であるSTRA8が細胞周期をG1期で停止させるRBと結合することで、細胞周期のG1期からS期への移行と減数分裂の開始を適切なタイミングに活性化させていることを明らかにした。これらの結果から、STRA8-RBの結合が、G1期からS期への移行を促進し、適切な時期に減数分裂を開始させるために重要であり、これらの緻密な制御がメス生殖能の維持を可能にしていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
減数分裂開始の制御と卵細胞の分化は遺伝的に独立した機構で制御されていると考えられてきた。しかし、我々の研究成果はメス生殖細胞においてSTRA8とRBが結合することでpre-meiotic S phaseと減数分裂の開始が適切な時期に起こることが、卵細胞を性成熟期まで維持するために必要であることが明らかとなった。これはこれまでの常識を覆す重要な発見である。さらにこのSTRA8-RBによる制御はメス特異的に機能しており、減数分裂の開始機構に雌雄差があることを明確に示す結果であり、今後の研究の方向性を変え得る重要な成果である。
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